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損害賠償

損害賠償における因果関係とは

2018.09.24

損害賠償における因果関係

1 はじめに

皆様は、因果関係と聞いて、どのようなイメージをお持ちでしょうか。加害者が責任逃れのために使う法律用語といった、あまりいいイメージを持っていない方も多いかと思われます。

しかし、因果関係は損害賠償において重要な概念ですので、以下具体例をもとにご説明していきます。

2 因果関係の意味

<事例1>

AさんがBさんを「死ね」と罵った後、Bさんがインフルエンザで死亡した場合。

「死ね」と罵った行為とインフルエンザで死亡した結果の間の因果関係は存在しません。そのため、AさんはBさんが死亡したことについて、損害賠償責任を負わないことになります。極端な例ですが、このことは皆さんも納得しやすいと思います。

このように因果関係とは、ある行為について、どの結果まで責任を負わせるかについて規定する概念です。因果関係を緩やかに判断すると、行為者の責任以上の不当な結果責任を負わせることになります。他方、厳格に判断すると、被害者の救済が十分に図られないことになります。

3 条件関係(事実的因果関係)

  

因果関係の判断に当たっては、「行為なければ結果なし」といえるかどうか、すなわち条件関係(事実的因果関係)が存在するかどうかを検討することから始まります。

<事例1>の場合、Aさんが「死ね」と罵らなければ、Bさんはインフルエンザで死亡しなかったとはいえません。そのため、条件関係はないといえ、因果関係は認められません。

 

<事例2>

AさんがナイフでBさんの胸を刺し、Bさんが死亡した場合

ナイフで刺さなければ死亡しなかったので、ナイフを刺した行為と死亡には条件関係はあるといえます。

 

<事例3>

AさんがBさんを殴って全治1週間程度のけがをさせ、Bさんが病院で治療したところ、その病院の治療器具が汚染されており、病気に罹患して死亡した場合

Aさんが殴らなければ、その病院に行くこともなく、死亡しなかったと言えるため、条件関係はあるということになります。

この場合に、条件関係があるとして、直ちに因果関係を認めてしまうと、Aさんは死亡について責任を負うこととなってしまいそうですが、この結果はおかしいと思いませんか。 そのため、条件関係がある場合でも、次に説明する相当因果関係の存否を検討することとされています。

  

4 相当因果関係

相当因果関係とは、「その行為から通常、その結果が生じるといえる」関係をいいます。

<事例3>の場合、行為の危険性としては全治1週間程度の受傷であり、通常このような傷から人が死ぬことはありません。そのため、死亡との間には相当因果関係はないことになります。なお、1週間の受傷に関する治療費等については通常生じるといえるので、それについては相当因果関係があるといえます。

 

<事例4>

AさんがBさんをナイフで刺し、大量出血をさせたところ、病院の医療ミスで助けることができず、Bさんが死亡した場合

ナイフで刺して大量出血させる行為は、人を死亡させる危険が十分に存在する行為であり、通常死に至らしめる危険性があります。そのため、死亡の結果について、相当因果関係はあるといえます。

5 まとめ

以上のように、因果関係の判断に際しては、事実関係の分析や論理的検討が必要となります。また、微妙な事案では、過去の裁判例でどのように判断されていたのか等まで調べることが必要となります。弁護士でなければ正確な見通しを立てることが困難な場合もありますので、お早めにご相談ください。

このトピックス記事執筆の弁護士

kusanagi

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