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損害賠償

「無断駐車した場合100万円の罰金」と書いてある看板

2019.01.11

無断駐車

1 はじめに

私有地、私道に、「この場所に許可なく駐車している場合は100万円の罰金」と記載された看板を見かけたことがあると思います。この場所に万が一駐車してしまった場合、本当に100万円支払う必要があるのでしょうか?

2 損害賠償の予定

この看板の内容を法律的に考えてみると、まず、「損害賠償の予定」という理屈が思いつきます。民法420条1項は、「当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。この場合において、裁判所は、その額を増減することができない。」と規定しています。そうすると損害賠償の予定であった場合は損害賠償の額を裁判所が変更することはできないように読めます。

この点については、その内容が公序良俗違反となる場合(社会規範に著しく反する場合、民法90条)には予定の効果が否定される場合もあります。では公序良俗違反と言えない限り上記看板があるにも関わらず駐車してしまった場合は、看板の記載は損害賠償の予定にあたり、金額については拘束されてしまうのでしょうか。回答としては、上記看板があっても、土地所有者と駐車した人との間で罰金を支払うという合意がされたとは言えず、契約が成立していないため、債務不履行が存在せず、420条1項自体が適用されないと考えられます。では不法行為の損害賠償の予定と解することはできるのでしょうか。

この点についても不法行為の損害賠償の予定と解することはできません。それは420条1項を不法行為に適用する条文がないからです。なぜかを考えてみると、債務不履行の場合、双方が合意しているため、その合意に拘束されることは、合意を行ったことに責任があるため、正当ですが、不法行為の場合、一方的に宣言した事項に拘束されることについて、責任を負わせることが正当とは言えないからではないかと思います。なお、この420条1項は平成29年6月の民法改正により、「裁判所は、その額を増減することができない。」との部分が削除されたため、裁判所が契約上予定された損害賠償額を減額できることが明確になりました。

3 黙示の駐車契約の締結

では全く意味がないかというと、一つ想起される理屈としては、土地の所有者から100万円の賃料で私有地を貸すという契約の申込みと解釈する方法です。この場合、看板の存在を知りつつ駐車した以上は、100万円で借りるという承諾があり、契約が成立していると解釈されるとして、契約に基づき賃料を請求する可能性があります。

ただし、本事例の場合、100万円と非常に高い金額であり、看板を知っていたとしても、申込みに対して承諾していないといえるため、契約は成立していない、と判断される可能性が高いと思われます。 仮に契約が成立していたとしても、公序良俗違反により無効となる可能性があります。

一方、本件と異なり、5万円の罰金と記載されていた場合は、理論上は契約が成立し、公序良俗にも反しないため、有効であると解釈される危険性もないとはいえません。もっとも実際に裁判になれば、契約の成立がなく、実際に生じた損害―その土地を利用できなかったことによる賃料相当額の損失―のみについて不法行為に基づく賠償義務があるとの判断がされる可能性も高いと思われます。

4 最後に

以上の通り、無断駐車した場合には罰金○万円という看板の法的効果には問題があり、記載された金額を支払う法的根拠は乏しいですが、他人の私有地に無断駐車することは不法行為にあたり賠償請求される可能性は十分に存在しますし、何よりも迷惑をかけてしまう行為ですので避けましょう。

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