定期借家契約成立のためには、更新がない旨の説明を、①契約締結の事前に、②書面をもって、③口頭で、行うことが必要とされています。
①~③のうちいずれかの手続を欠いた場合、更新を拒絶する旨の条項は無効となり(同条3項)、定期借家契約としては契約が成立しなくなります(更新のある通常の賃貸借契約としては成立します。)。
賃貸借契約に更新がないことを確実に認識させるために、契約時や契約後ではなく、「あらかじめ」契約更新がないことを周知させる必要があります。
もっとも、事前説明は、「契約と同一機会であっても、契約締結に時的に先立っていれば、『あらかじめ』に当たる」とされています(東京地判平成24年3月23日判例時報2152号52頁)。
また、事前説明書類は、契約書そのものとは別個独立の書面である必要があります(最判平成24年9月13日民集66巻9号3263頁)。
書面の交付だけでは足りず、同時に、口頭で書面の内容を説明する必要があります(東京地判平成18年1月23日)。原則としては、書面を交付したその場で、口頭での説明を行うことが必要です。もっとも、電話での説明が口頭説明として認められた事案もあります。