定期借家権は住宅に関する規制緩和推進計画の一つとして浮上してきました。
借地借家法という社会的規制を撤廃することにより、 自由に立ち退きを行える制度を確立することを目的としています。
旧来の借地借家法のもとでは、 借家は健全な市場とは言えず、 大変に片寄った需要供給の形になっています。 借家の供給拡大、 市場の活性化のためには、 契約自由、 自由な取引に公共が不必要に関与すべきでなく、 価格メカニズムに委ねることが必要です。 この点で定期借家権は住宅に関する規制緩和の重要なステップと言えます。
戦後日本の住宅政策は、 低所得者及び中堅勤労者を対象とし、 公団・公庫等により大きな財政支出が行われてきました。 定期借家権が導入されますと、 中堅勤労者でも良質なファミリー賃貸住宅に入居することが可能となり、 公団・公庫等による住宅対策による財政支出が節約される可能性があります。 その節約された財政支出が低所得者のための公共住宅の建設や家賃補助の財源をつくりだしていくと予想されます。
セーフティネットとは、 「弱者保護」 という意味ですが、 定期借家権という制度が過去50年以上続いた旧来の借家の制度と全く違ったものになるため、 いわゆる 「社会的弱者」 と、 「定期借家権の意味・影響を十分理解できない借主」、 そして 「貸主に対して力関係の劣る借主」 が不利益を受けないように配慮されています。 具体的には、 「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」 の第8条により、 現在入居中の方が賃貸借を合意により終了しても、 当面は同一の建物を目的とする賃貸借をするときは定期借家契約にはなり変わりません。 つまり、 契約を解消し、 明渡しをしない限り、 定期借家契約にはならないこととされています。 なお、 この規定は4年後に見直しされることとなっています。
参院国土・環境委員会で採択された 「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法に対する付帯決議」 の要旨は次の通りです。