自己株式の取得財源は、「配当可能利益」の範囲内となっております。「配当可能利益」とは、一定の場合(開業準備費、開発費及び試験研究費が計上されている場合)を除き、貸借対照表上の純資産額から資本金、資本準備金及び利益準備金(その決算期に積立てることを要するものを含む)の合計額を控除したものとなります。また、今回の改正で、合わせて法定準備金の積立限度に関する規制も緩和されたことにより、資本金の4分の1を超える法定準備金(資本準備金・利益準備金)を取崩し、自己株式の取得財源に加えることが可能となりました。
一方、「金庫株」として自己株式を売却した株主に対しては、その売却価額が当該株式に対応する資本等の金額(資本金+資本積立金)を超える部分の金額について「みなし配当」として課税されることとなりました。あわせて、その対応する資本等の金額が当該株式の取得価額を超える場合には、その差額を譲渡益として譲渡所得税等(税率20.315%)が課税され、また満たない場合においては、譲渡損として他の所得と通算(個人の場合には、有価証券の譲渡益とのみ通算可能)されます。
売却した株主が個人の場合、「みなし配当」は配当所得に該当し、所得税等の総合課税として最高税率が48.6%(所得税45%-配当控除5%+住民税10%-配当控除1.4%)となることから、所得金額が大きくなると第三者に譲渡し換金する場合と比べて課税上不利になります。
また、売却した株主が会社である場合には、「みなし配当」について「受取配当等の益金不算入制度」を適用することにより課税所得が軽減され、第三者に譲渡し換金する場合と比べて課税上有利となります。
なお、平成16年税制改正において、平成16年4月1日以降に相続が発生して、相続人が相続財産に係る非上場株式を発行会社に譲渡した場合は、
という特例が創設されました(詳細は納税対策で詳述)。