友好的買収と「買収」の概念

企業買収と企業防衛マニュアル

第3章

友好的買収

集合写真
第1

友好的買収の意味

友好的買収と「買収」の概念

例えば、対象会社の経営者と通じて吸収合併するという方法が、他社を吸収する有力な方法であることは言うまでもありません。しかし、対象会社の経営者の同意を得てその会社を吸収するというのであれば、買収という概念に反するようにも思われます。「買収」という言葉には、相手の意思を無視して一方的に行うという好戦的なイメージがあるからです。
しかし、特に対象会社が経営的苦境に陥っているときなどは、経営者の本意でなくとも、しぶしぶ合意せざるをえなくなって合併することになりますが、その場合には吸収合併であっても買収というニュアンスに近くなってきます。合意があることはあるのですが、合意せざるを得なかったという意味では、一方的な意思で他社支配を貫徹するという「買収」の本来的な意味に近くなります。合意の中には不本意ながら友好的態度をつくろうという場合も含まれるのです。一方的な略奪婚も、しぶしぶ合意させる合意婚も、乗っ取りであることに変わりはないのです。

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