まとめ

企業買収と企業防衛マニュアル

第3章

友好的買収

集合写真
第3

経営者に友好的な買収

まとめ

企業買収と企業防衛について、敵対的買収と友好的買収に分けて、目下問題となっていることを論じてきました。敵対的買収に関しては主として防衛方法が語られ、友好的買収に関しては企業再編行為が重要な地位を占めていることを示しています。買収と防衛に関しては触れるべきことがまだまだありますが、ここでは買収や防衛を理解すること以上に、問題を体系的に理解することの重要性を強調しています。敵対的買収と友好的買収の区別、敵対的買収における防衛方法、友好的買収の二分類(経営者および株主に友好的な買収と経営者に友好的な買収)がそのことを表しています。
買収や防衛は最初から最後まで一本調子で進むとは限りません。企業行動は臨機応変です。会社は買収行為を続けながら、途中で他の行為に転換することがあります。既述のように、敵対的買収が途中から組織再編行為などを利用した友好的買収に発展することとか、買収をやめて新たな取引関係や役員を派遣する関係が形成されることなどがあります。
また、買収行為が何かの派生的効果を生み出すこともあります。買い占めた株式の市場価格が高くなったので買収を断念し、これを売却して利益を得ることがあります。買収されたと知った会社が反対側から買収を仕掛けることもあります。
つまり、買収も防衛も、組織の実質的改編という要素をもちつつも、通常の取引行為と同様に、会社をめぐる利害関係者のその時々の利害と判断の中で姿を変えながら動いています。

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