株式交換の意義及び前提要件

株式交換・移転、会社分割マニュアル

第1章

株式交換・移転

集合写真
第2

株式交換の実務

株式交換の意義及び前提要件

(1)
株式交換の意義
株式交換は,既存の会社を完全親会社として完全親子会社関係を創設する制度です。
典型的には,株式交換により,完全子会社となる会社のすべての株式を,完全親会社となる会社が取得し,その完全子会社となる会社の株主は,その完全親会社となる会社の株式等の対価を取得します。
ここで,完全親会社とは,他の会社の発行済株式の総数を所有する会社のこと,完全子会社とは,他の会社に発行済株式の総数を所有されている会社のことを意味します。
(2)
当事者
株式交換における契約の当事者は,完全親会社となる会社と完全子会社となる会社です。完全子会社となる会社の株主は当事者ではありません。
平成17年改正前商法では,完全親会社・完全子会社のいずれもが株式会社に限定されていましたが,会社法では,株式会社のほか合同会社も完全親会社となることができることとされました(会社法767条,同法2条31号)。
もっとも,完全子会社となる会社は平成17年改正前商法と同様に株式会社に限定されています。
(3)
完全子会社となる会社が債務超過会社である場合
会社法は,株式交換によって差損が生じる場合(①完全親会社が承継する負債の簿価が資産の簿価を超える場合,及び②株式交換に際して交付する対価の完全親会社における簿価が当該株式交換により承継する純資産額を超える場合。会社法795条2項各号参照)を制度上認め,その上で,そのような場合には,完全親会社における株式交換に係る契約を承認する株主総会においてその旨を説明しなければならないこととするとともに(会社法795条2項),簡易手続をすることはできないこととし(会社法796条3項),完全親会社の株主の保護を図っています。

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