建物賃貸借契約の終了3

貸地・貸家明け渡しガイド

貸地・貸家明け渡しの疑問を解決するQ&Aをご紹介します。このページでは、建物賃貸借契約の終了に関する質問を集めました。ぜひ参考にしてください。

建物賃貸借契約の終了

(4)

期間満了について

Q:
建物賃貸借契約で定めた期間が満了した場合には、当然に、賃貸借契約は終了するのですか?
A:
借地借家法の適用のない賃貸借契約においては、期間が満了した場合には、賃貸借契約は終了し、賃借人は、目的物を賃貸人に返還する義務を負います(民法第616条、597条1項)。
しかし、建物の賃貸借契約であり、借地借家法の適用を受ける場合には、期間満了により必ずしも賃貸借契約が終了するわけではありません。
すなわち、当事者が期間満了の1年前から6か月前までの間に相手方に対して更新しない旨の通知又は条件を変更しなければ更新しない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件(ただし、賃貸借期間は定めがないものとされます)で更新したものとみなされます(借地借家法第26条第1項)。
また、上記のような通知をした場合であっても、建物の賃貸借期間が満了した後、建物の賃借人が使用を継続する場合において、建物の賃貸人が遅滞なく異議を述べなかったときも更新したものとみなされます(同条2項)。
なお、賃貸人による上記の通知又は異議は、正当事由が備わっている場合でなければ効力を有しません。賃貸人が正当事由の備わっていない異議を述べたとしても、上記のような契約の更新があったものとみなされます。
正当の事由について詳しくは「Q:建物賃貸借終了についての「正当の事由」とは、一般的にどのような事情を考慮して判断されますか?」を参照してください。

Q:
借家契約の存続期間の定めがあり、これが満了する場合、どのような要件を満たせば、借家を明け渡してもらうことができますか?
A:
期間満了による、借家の明け渡しには次の2つの要件が必要です。
1
更新拒絶をすること(借家法2条、借地借家法26条)。
期間の定めのある借家契約では借家契約を終了させるためには貸主は期間満了前6か月前から1年前に借家人に対し更新拒絶の意思表示をすることが必要です。
更新拒絶の意思表示が期間満了前6か月を経過した後になされた場合、その更新拒絶の意思表示は無効ですが、更新後の賃貸借に対する解約申入れの意思表示としての効力はあります。
なお、更新拒絶の意思表示をしても期間満了後に賃借人が建物の使用、収益を継続する場合に貸主が借家人に対し遅滞なく異議を述べないと借家契約は自動的に更新してしまいます (借家法2条2項、借地借家法26条2項)。
2
更新拒絶のために「正当の事由」が存在すること(借家法1条の2、借地借家法28条)。
正当の事由とは、賃貸人が建物の明け渡しを求めるのがもっともであるという事情をいいます。
正当の事由について詳しくは「Q:建物賃貸借終了についての「正当の事由」とは、一般的にどのような事情を考慮して判断されますか?」を参照してください。

Q:
借家契約に存続期間の定めがない場合、どのような要件を満たせば、借家を明け渡してもらうことができますか?
A:
借家の明け渡しには次の2つの要件が必要です。
1
解約申入れをすること(借家法3条、借地借家法27条1項)。
借家法3条は「賃貸人ノ解約申入ハ6月前ニノコレヲ爲スコトヲ要ス」と規定しています。
つまり期間の定めのない借家契約では、借家契約を終了させるためには6か月前に解約申入れをする必要があります。
借地借家法27条1項も「建物の賃貸借は、解約の申入れの日から6月を経過することによって終了する」としています。
解約の申入れとは、契約を将来に向って終了させる契約当事者の一方の意思表示をいいます。
また、解約申入れには当初から6か月の猶予期間を付さなくても解約申入れの後6か月を経過すれば解約の効力が生じます。
なお、解約申入れによって借家契約が終了した後に借家人が建物の使用、収益を継続する場合、貸主が遅滞なく異議を述べなければ、前の賃貸借と同一の条件で賃貸借をなしたものとみなされますので注意を要します(借家法3条2項、借地借家法27条2項)。
2
更新拒絶のために「正当事由」が存在すること(借家法1条の2、借地借家法28条)。
正当の事由について詳しくは「Q:建物賃貸借終了についての「正当の事由」とは、一般的にどのような事情を考慮して判断されますか?」を参照してください。