国外を源泉地国とする所得の計算は、総合課税の対象となる所得として利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、譲渡所得、一時所得、雑所得の8種類、分離課税の対象となる所得として土地建物等の譲渡所得、山林所得、退職所得、株式等に係る譲渡所得の金額の4種類が定められています。
利子所得のうち国内において国内において支払を受けるべき特定公社債等の利子等については20.315%(国税等15.315%、地方税5%)の税率により源泉徴収され、申告分離課税の対象となります。金融機関等から受ける預金利子、特定公社債以外の公社債の利子は20.315%(国税等15.315%、地方税5%)の源泉分離課税とされ、総合課税の対象になりません。
一方、外国において支払を受ける預金利子など、国内の金融機関を通じないで受ける預金利子は日本の所得税が源泉徴収されないため、総所得金額に算入されることとなり、総合課税の対象とされます。
また、外貨で得た利子収入の為替換算については、受取るべき期日が契約等で定められているときは、その受取るべき日の電信買相場を用い、定められていないときは受取った日の電信買相場を適用します。ただし、受取るべき日が定められている場合でも実際の支払が著しく遅延しないならば、受取った日の電信買相場を選択して換算することができます。
持株割合3%未満の株主が受ける配当については20.315%(国税等15.315%、地方税5%。)の源泉徴収がなされ、申告分離課税の対象となりますが、総合課税、申告不要を選択することもできます。
持株割合3%以上の株主(大口株主)が受ける配当については20.42%(国税等)の源泉徴収を受けたうえ総合課税で確定申告をする必要があります。
同族会社など非上場の会社から受取る配当については、20.42%(国税等)の源泉徴収を受けたうえ総合課税で確定申告をする必要があります。
但し、1銘柄につき1回の配当が5万円以下(配当の計算期間が1年以上の場合には10万円以下)の少額な配当であれば、20.42%(国税等)の源泉徴収だけを受けて、確定申告を省略することができます。なお、非上場株式の配当金については地方税の源泉徴収がないため、少額な配当を理由として所得税の確定申告を省略したとしても、住民税の確定申告は必要です。3)国内の支払取扱者を通さずに支払を受ける配当
外国に所在する証券会社から外国株式を取得した場合は、日本の支払取扱者が介在しないので、日本で源泉徴収することができません。そのため、日本において確定申告する必要があります。配当に対する課税は国内において受領した配当と同様ですが、外国法人からの配当については配当控除の適用はなく、また、少額配当に係る確定申告不要制度の適用もありません。
外貨で得た配当収入の為替換算については、受取るべき期日が契約等で定められているときは、その受取るべき日の電信買相場を用い、定められていないときは受取った日の電信買相場を適用します。ただし、受取るべき日が定められている場合でも実際の支払が著しく遅延しないならば、受取った日の電信買相場を選択して換算することができます。
日本国内か外国かを問わず所有する不動産及び外国に所有する不動産より生ずる賃貸料収入から減価償却費等の必要経費を控除した金額を総所得金額に算入し、総合課税で確定申告をします。
また、外貨で得た不動産収入の為替換算については、電信買相場を用い、必要経費の換算は電信売相場を用います。換算に適用するべき為替レートは、所得税法上も法人税法上も受取るべき日、又は支払うべき日の為替レートを基準としますが、換算するレートを個別に変更していたのでは煩雑で事務負担も重いため、実務的には所得の計算期間の平均レートを用いるのが一般的です。
日本国内、あるいは外国を問わず個人が行う事業から生じた所得で、その事業より生じた収入から減価償却費等の必要経費を控除した金額を総所得金額に算入し、総合課税で確定申告をします。
国内源泉所得にかかわる給与所得及び国外源泉所得にかかわる給与所得いずれも総合課税により課税されることとなります。
日本国内、外国を問わず資産の譲渡にかかわる所得については、土地建物等及び株式以外の資産譲渡については総合課税の対象となる譲渡所得となり、土地建物等及び株式の資産譲渡については分離課税の対象となる所得となります。
譲渡収入金額から取得費と譲渡費用を控除して譲渡益を求め、さらに50万円の特別控除額を控除して譲渡所得を計算します。
所有期間が資産の取得の日以後5年以内の日に譲渡した場合は短期譲渡所得に、5年を超えた日に譲渡した場合は長期譲渡所に分類し、長期譲渡所得に分類される所得はその2分の1が課税対象となります。
また、国外資産を売却したこと等により外貨により受取る譲渡収入金額はその受取るべき日の電信買相場を適用して換算し、支払うべき譲渡費用はその支払うべき日の電信売相場を適用して換算します。
譲渡収入金額から取得費と譲渡費用を控除して譲渡益を求め、さらにそのケースごとに適用できる特別控除額を控除して譲渡所得を計算します。
譲渡のあった日の属する年の1月1日において、その取得をした日の翌日から引き続き所有していた期間が5年以下の土地建物等の譲渡による所得は短期譲渡所得に分類し、5年を超える土地建物等の譲渡による所得は長期譲渡所得に分類します。この場合、長期譲渡所得に対する税率は20.315%(国税等15.315%、地方税5%)、短期譲渡所得に対する税率は39.63%(国税等30.63%、地方税9%)となります。
また、国外の土地建物等を売却したこと等により外貨により受取る譲渡収入金額はその受取るべき日の電信買相場を適用して換算し、支払うべき譲渡費用はその支払うべき日の電信売相場を適用して換算します。
譲渡収入金額から取得費と譲渡に要した売買手数料等の譲渡費用を控除して譲渡所得を計算します。
株式・債券等の有価証券を譲渡した場合は他の所得と分離して課税(分離課税)され、証券会社に特定口座を設ける等一定のケースを除いては原則として確定申告が必要です。
株式・債券等の有価証券の譲渡については、「一般株式等」と「上場株式等」に区別し、税率は20.315%(国税等15.315%、地方税5%)で申告分離課税により課税されることになります。
一般投資家の申告納税事務を簡素化するために新設された制度です。これは証券会社に特定口座を開設し、その口座内における上場株式等の譲渡による所得の金額を、他の株式等の譲渡による所得と区別して計算することができるという制度です。特定口座内で生じる所得に対して源泉徴収されること(源泉徴収あり)を選択した場合には、その特定口座における上場株式等の譲渡による所得は申告不要とすることができます。
特定口座を開設する際には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」とのいずれかを選択する必要がありますが、この二つの大きな違いは確定申告の有無です。特定口座を開設した場合の「源泉徴収あり」、「源泉徴収なし」と特定口座を開設しない場合の「一般口座」とを比較しますと次の表のようになります。なお、一つの証券会社に「特定口座」と「一般口座」を一つずつ持つことができますが、特定口座は「源泉徴収あり」か「源泉徴収なし」かのいずれかを選択しなければなりません。当然のことながら一つの証券会社で「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」との二つの特定口座を持つことはできません。
日本で源泉徴収をすることができないため、確定申告をしなければなりません。
確定申告の方法は、前述いたしましたように譲渡収入金額から取得費と譲渡に要した売買手数料等の譲渡費用を控除して株式の譲渡所得を計算し、総合課税となる他の所得と分離して申告(分離課税)します。譲渡所得に対して20.315%(国税等15.315%、地方税5%)の税率により課税されることになります。
一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じたものでも、労務や役務の対価でもなく、資産の譲渡等による対価でもない一時的な性質の所得をいいます。この所得には、次のようなものがあります。
また、一時所得は収入金額からその収入を得るために支出した金額を控除した金額に50万円の特別控除を引いて所得金額を算出しますがさらにその金額を2分の1して他の所得と合計し、総合所得として税金が計算されます。
一時所得については国内及び国外源泉所得とも上記の計算により、総合所得として計算されます。
雑所得とは、外貨建預金の換算に伴う為替差益、金投資(貯蓄)口座の差益、割引債の償還差益、年金や恩給などの公的年金等、非営業用貸金の利子、著述家や作家以外の人が受ける原稿料や印税、講演料や放送謝金などのように、他のいずれの所得区分にも当たらない所得をいいます。
雑所得は原則として総収入金額から必要経費の額を控除して求め、他の所得と合計し、総合所得として税金が計算されます。
但し、外貨預金の換算に伴う為替差益、割引債の償還差益等については、源泉徴収により課税関係が完了する源泉分離課税となっており、また、商品先物取引、有価証券先物取引などに係る差金等決済により得た雑所得については申告分離課税とされ、他の所得と分離して20.315%(国税等15.315%、地方税5%)の税率で課税されます。
なお、国外源泉所得のうち雑所得に区分されるものは、国内源泉所得の場合と同じように総収入金額から必要経費の額を控除して求めますが、日本の源泉徴収ができないため申告分離とされる雑所得はありえません。また、外国である所得源泉地国で支払った外国所得税があるときは、確定申告の際に外国税額控除を適用することができます。