当事者間で最終条件交渉により確定した内容について、取締役会の承認を受けた上で確定契約書を作成します。なお、株式譲渡の場合おける株式譲渡契約書の記載例は以下のとおりです。
売買価額を固定額で規定することもありますが、確定契約書の締結以降に生じる事情も考慮するために一定の算式を規定することもあります。前者の場合にはクロージングまでに事情が変動するリスクを勘案する必要がある一方,後者の場合には双方にとって合理的な算定方法を見出し、正確に規定しておく必要があります。
株券発行会社であれば株券の交付が必要となりますが、株券不発行会社であれば意思表示のみで株式の移転が可能です。しかし、実務上は、対抗要件を具備するため株主名簿の書換えを行う必要から、売主の記名捺印済みの株主名簿書換請求書の交付が定められることが多いです。
売主から買主に対し、対象となる株式の権利者であり担保等の負担がないこと、財務諸表等が正確であること、開示された以外に偶発債務や紛争等が存在しないことなどを表明し,保証するものです。仮に表明保証の違反が明らかとなった場合には,取引の停止や補償の請求を受ける可能性があります。
取引実行のために必要な行為がなされることの確認と取引の前提となった対象会社に関する状況の確保を目的とするものです。上記(d)の表明保証は、特定の時点(通常はクロージング日)における状況の確認であるのに対し、この誓約条項は確定契約締結からクロージングまでの期間を埋めるための合意となります。なお、必要に応じ,クロージング後の誓約事項(競業避止義務等)を定める場合もあります。
株式譲渡を実行する義務が生じる前提条件の規定です。例えば(e)表明保証や(f)誓約条項の違反があった場合には、買主において譲渡価額を支払う義務が生じないといった趣旨の規定が見受けられます。なお、買主が前提条件の不充足を主張しない(前提条件の放棄)ことができる旨を明記することも多いです。
(e)表明保証や(f)誓約事項の違反が生じた場合に備え、補償の対象となる損害の範囲や補償の期間等を明確化する規定です。M&Aにおいては,複雑かつ広範な取引関係が生じるため、補償の対象が無限定に拡大することを避ける必要性が高いといえます。
解除条項、秘密保持義務、費用負担、完全合意条項、準拠法及び管轄に関する規定が見受けられます。