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事業承継

経営承継円滑化法を利用した事業承継

2018.06.04

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遺留分に関する民法の特例

事業承継を行い、後継者が安定した経営をしていくためには、自社株式や事業用財産を後継者にしっかりと承継させることが必要です。その反面、経営者に子が複数いて、そのうちの1名を後継者とする場合には、相続割合のバランスや、後継者ではない子の遺留分(注:遺留分とは、子・親・配偶者に保障される最低限の遺産を受け取る権利のことをいいます。)に注意をする必要があります。

事業承継の方法を検討する際に、いわゆる経営承継円滑化法(中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律)による、遺留分に関する特例を利用する場合があります。
円滑な事業承継を行うための一助になり得る制度ですので、ご参考になれば幸いです。

この制度では、

  1. 現経営者が後継者に生前に贈与した株式を、遺留分算定の基礎としないこと(除外合意)
  2. 生前に贈与した株式について、遺留分算定の基礎にする場合に、その価額をあらかじめ合意して決めること(固定合意) が可能になります。

(1)除外合意

除外合意を利用すると、株式が遺留分の対象ではなくなるため、株式以外の財産を後継者に残すことができ、相続税の納税資金、事業に必要な資金を残すことができるようになります。

(2)固定合意を利用

固定合意を利用すると、自社株式の価値が贈与後に高騰した場合であっても、固定した額によって遺留分が計算されるため、後継者の負担を軽減することが可能になります。後継者としては、株価が固定されているため、努力して業績を上昇させたとしても遺留分の増加を気にする必要がなくなり、経営に専念することができるといわれています。

遺留分に関する民法の特例を利用するための主な要件

  1. 株式の対象会社が、対象となる中小企業者に該当し、3年間以上継続して事業を行っていること
  2. 旧代表者からの贈与等により後継者が株式を取得し、後継者が総株主の議決権の過半数を保有すること
    注:平成28年4月1日の法改正により、株式を譲渡する後継者として親族外の者も可能となりました。
  3. 推定相続人(遺留分権利者)全員の合意
  4. 家庭裁判所の許可
  5. 経済産業大臣の確認

遺留分に関する民法の特例の注意点

相続人全員の同意が必要とされることから、既に後継者争いがあるなどして、生前に合意を取り付けることが困難な場合には、利用できない可能性があります。

本トピックスでは制度の概要をご紹介しました。次回は、具体的事例を交えてより詳しくご説明をさせていただく予定です。

このトピックス記事執筆の弁護士

朝日中央綜合法律事務所

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