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FinTechと仮想通貨

2018.06.11

FinTechと仮想通貨のアイキャッチ画像

1.FinTechとは

最近、テレビや新聞で、FinTechという言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

「FinTech」とは、「金融(Finance)と技術(Technology)を掛け合わせた造語であり、主に、ITを活用した革新的な金融サービス事業を指す」とされています(金融庁「平成27事務年度金融行政方針」(平成27年9月))。そして、FinTechの動向として、「特に、近年は、海外を中心に、ITベンチャー企業が、IT技術を武器に、伝統的な銀行等が提供していない金融サービスを提供する動きが活発化して」いるとされており(金融庁「平成27事務年度金融行政方針」(平成27年9月))、日本においても、様々な金融サービスが提供されています。

実は、私たちの生活の中にも、FinTechの技術が利用されたサービスがあります。例えば、家計簿アプリ。スマートフォンで複数の口座残高を一括管理したり、支出を食費や光熱費などのカテゴリに自動で分類し、グラフ化してくれたりします。これもFinTechの技術の一つなのです。そのほか、お金を貸したい人とお金を借りたい人を結びつけてくれるソーシャルレンディングなど、私たちの生活の中に、FinTechの技術がどんどん浸透してきているといえます。
また、企業活動の分野においては、FinTechの技術は、資金の決済・送金や融資・資金調達、資産運用、財務管理など様々な分野で使用されています。

今回は、FinTechの中で代表的ともいえる仮想通貨の法的問題点について述べたいと思います。
なお、本原稿は、2017年11月末日時点での情報を基にしたものであり、最新の動向、法規制は異なる可能性があることにご留意ください。

2.仮想通貨とは

ビットコインに代表される仮想通貨とは、一般的に法定通貨と異なる単位を有し、インターネット等を通じて電子的に取引される財産的価値とされています。ビットコインは、取引所を通じた購入(法定通貨との交換)や、他者からの譲渡等によって入手することが可能で、ネットワークに接続する環境さえあれば、中央銀行のような第三者を介することなく、当事者間で直接取引することができる点に特徴があります。

Suica等の電子マネーと仮想通貨との違いは、電子マネーは、特定の加盟店に対してのみ使用可能であり、独自の相場をもたないのに対し、仮想通貨は、不特定多数の者との間でやりとりでき、仮想通貨独自の相場があるという点にあります。

仮想通貨は、主に送金手段としての利用が進んでいます。たとえば、日本から米国に送金する際、円を仮想通貨に交換して送金し、米国にいる相手は仮想通貨から米ドルに交換して受け取るということが考えられます。仮想通貨を利用することにより、これまで銀行を通じて行ってきた国際送金において、短時間かつ低廉な手数料で送金をすることができると見込まれているのです。
また、仮想通貨は、投機手段としての利用も拡大しています。

3.仮想通貨と法規制

従来、仮想通貨に関しては、明確な法的枠組み、規制が存在しませんでした。
しかし、マネロン・テロ資金供与対策に対する国際的な要請の高まりや2014年に発生した当時世界最大規模の仮想通貨交換所であったマウントゴックス社の破たん等を背景に、2016年5月、資金決済法が改正されました。改正資金決済法では、「仮想通貨」の概念が法定化され(資金決済法2条5項)、仮想通貨の売買または他の仮想通貨との交換等を業として行う場合、交換業者は登録が必要となり(同法63条の2)、監督官庁の規制下に置かれることとなりました。また、交換業者には、仮想通貨と本邦通貨または外国通貨との誤認防止の説明義務、手数料その他の契約内容についての情報提供義務など利用者の保護等に関する措置(同法63条の10)や利用者の財産の分別管理(同法63条の11)等の行為規制が課されることになりました。今後、更なる法整備が進むことが想定されますので、今後の動向に注目していく必要があります。
もっとも、未だ法整備が現実に追いついていない状況であることには変わりなく、仮想通貨を利用する際には、仮想通貨を謳った詐欺に注意する必要があります。

4.仮想通貨と税金

従来、仮想通貨は、財産として取り扱われ、その他の課税要件を満たす限り、国内で事業者がおこなった仮想通貨取引は、「資産の譲渡等」(消費税法2条8項)にあたり、消費税の課税対象取引となるとされていました。
しかし、仮想通貨と同じく支払手段と同様の機能を有する小切手やプリペイドカード等の譲渡は非課税取引とされていることに加え、国際的に仮想通貨の譲渡に係る消費税は非課税とされているケースが多いことから、2017年3月に成立した平成29年度税制改正法案では消費税を非課税にすることとされ、2017年7月以降、仮想通貨の譲渡に係る消費税は非課税となりました。

5.さいごに

仮想通貨をはじめFinTech関連事業は今後発展していく可能性が高い一方で、法律による利用者保護のための仕組みは不十分であることから、現時点では安心して利用することができるとは言い難い状況にあります。また、仮想通貨価格の乱高下や仮想通貨の分岐など、仮想通貨市場では様々な動きがみられます。

実際に仮想通貨をビジネスに利用することを検討されている事業者の方は、一度弁護士等の専門家にご相談されることをお勧めします。

このトピックス記事執筆の弁護士

森下 慎也

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