成年後見

成年後見制度の種類

前回の記事では、成年後見制度には、後見、保佐、補助の3種類があるとご紹介いたしました、今回はそのそれぞれについて、簡単にご説明いたします。

1.後見

家庭裁判所は、「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」について、本人、配偶者等の請求により、後見開始の審判をすることができます(民法第7条)。そして、この後見開始の審判を受けた人は、成年「被」後見人となり、成年後見人に財産管理などの仕事をしてもらうことになります(民法第8条)。
「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」というのは、少し耳慣れない表現かもしれません。
「事理を弁識する能力」とは、自分のした法律行為の結果を判断する能力です。たとえば、買い物(売買契約)であれば、300円支払うことでりんご1個を得られる、ということが分かるというような能力です。一般的に、日常的な買い物なども自分1人ではできない程度であれば、事理を弁識する能力を欠くといえます。
「精神上の障害により」とは、事理を弁識する能力を欠く常況にある要因が精神上の障害に基づくものであることが必要ということです。たとえば、認知症等の病気であったり、あるいは事故で頭に障害が残ってしまったような場合などです。精神的な能力にまったく問題はないものの、足が不自由などの理由で、1人で買い物ができないといったような場合は、含まれません。
「常況」とは、ふだんそのような状態であるということです。すなわち、日常のほとんどにおいて事理を弁識する能力を欠くが、まれに能力が通常に戻ることもある、という場合は、事理を弁識する能力を欠く「常況」といえます。

2.保佐

家庭裁判所は、「精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者」について、本人、配偶者等の請求により、保佐開始の審判をすることができます(民法第11条)。そして、この保佐の審判を受けた人は「被」保佐人となり、保佐人がつけられることになります(民法第12条)。
「精神上の障害により事理を弁識する能力」までは、後見と同じ説明になります。
著しく不十分とは、日常的な買い物程度は1人でできるものの、民法第13条1項に挙げられているような、重大は法律行為を1人ですることができないような状態をいいます。たとえば、不動産を売ったり、買ったりすることができないような場合等です。

3.補助

家庭裁判所は、「精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者」について、本人、配偶者等の請求及び、本人以外の請求による場合は本人の同意により、補助開始の審判をすることができます(民法第15条1項、2項)。そして、この保佐の審判を受けた人は、「被」補助人となり、補助人をつけてもらうことになります(民法第16条)。
「精神上の障害により事理を弁識する能力」までは、後見・保佐と同じです。
不十分とは、民法第13条1項に挙げられるような重大な法律行為を1人ですることはできるものの、しっかりできるかどうか不安があり、他の人にやってもらった方が本人のためになる、というような状態をいいます。たとえば、車に乗らなくなったので売ろうと考えているが、1人で取引するのは不安がある、というような場合です。

このように、後見制度は、本人の能力の程度に応じて制度は3種類があります。
ご本人の現在の状況に応じて、どの制度の活用が適切か、一度弁護士に相談してみていただければと思います。

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