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成年後見

成年被後見人になった後の生活①

2018.07.30

成年被後見人になった後の生活①

後見が開始し、成年後見人が就いた人の生活はどのようになるのでしょうか。成年後見人が付された人のことを、成年「被」後見人といいますが、ここでは単に「本人」ということにします。(保佐人、補助人が選任された場合については、回を改めてご説明します。)

1.成年後見人は、本人の財産を管理する包括的な代理権を有しています(民法859条1項)。

ですから、1人で預金の払戻しが出来ない本人の代わりに銀行に行って預金を払戻したり、介護施設に入所する際の契約手続きを本人の代わりに行ったり、ということが出来ます。

2.成年後見人が包括的な代理権を有しているからといって、全ての法律行為を自由に代理できるというものではありません。

(1)本人の行為を目的とする債務

本人がコンビニでアルバイトするという内容の契約を、成年後見人が勝手に締結してしまうと、本人の生活に大きな影響が生じてしまいます。このようなことが無いように、本人の行為を目的とする債務を本人に負わせるような法律行為をする場合は、本人の同意が必要となります(民法859条2項、同824条ただし書き)。

(2)居住用不動産の処分

本人が今住んでいる家を勝手に売られてしまうと、住むところがなくなり、とても困ったことになると思います。そのようなことを防止するため、本人が所有している居住用の土地や建物を売ったり、誰かに貸したり、あるいは今住んでいる家の賃貸契約を解除する等の場合は、家庭裁判所の許可が必要になります(民法859条の3)。

本人が現在住んでいる家を売って、介護施設に入所しようとするときなどは、この家庭裁判所の許可を得た上で行うことになります。

(3)利益相反行為

成年後見人の所有する絵画を本人が買い取るような場合、売主である成年後見人としてはなるべく高く買ってほしいと思うわけですが、本人の判断能力の低下を利用して、不当に高い値段で売ろうとすることがあるかもしれません。こういったことを防止するため、本人と成年後見人との利益が相反する場合は、特別代理人というピンチヒッターを家庭裁判所に選任してもらわなければならないことになっています(民法860条→同条が準用する826条)。この特別代理人が、当該利益相反行為の際に限り、本人を代理して成年後見人と取引することになります。

ただし、成年後見監督人という人がいる場合はさらに例外となります(複雑になりますので、別の機会にご説明します。)

(4)身分行為

上述のとおり、成年後見人は財産管理に関する包括的な代理権を有していますが、財産管理以外の身分行為については、本人の意思が尊重され、成年後見人には代理権がないと考えられています。

例えば、結婚や離婚、認知などの行為です。本人の知らないところで、成年後見人の選んだ方と勝手に結婚させられていたら、大変なことになってしまいますね。

次回は、「成年被後見人になった後の生活②」として、代理権以外の成年後見人の権限等についてご説明いたします。

このトピックス記事執筆の弁護士

今福 怜

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