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非上場株式の売却・評価

譲渡制限株式の売却方法

第1 譲渡制限株式とは

 譲渡制限株式(会社法(以下,省略します。)2条17号)とは,株式を譲渡する際又は譲渡によって株式を取得する際に,会社の承認が必要である株式をいいます。
 譲渡制限株式の株主は,その株式を他人に譲渡しようとする場合には,会社に対してその他人がその株式を取得することについて承認するかどうかの決定をすることを請求できます(136条)。また,譲渡制限株式を取得した株式取得者も,会社に対してその取得したことについて承認するかどうかの決定をすることを請求できます(137条)。
 会社が承認するかどうかで,その後の手続きの流れが変わってくるので,本稿では,承認した場合と承認しなかった場合で場合分けをして,譲渡制限株式の売却方法についてお話しいたします。

第2 譲渡制限株式の譲渡の方法

1 それでは,譲渡制限株式の譲渡に係る承認手続を説明いたします。

 ポイントは,究極的には,株主には,
 ①当初意図した譲渡先
 ②会社の指定した買取人
 ③会社自身
のいずれかに対し,株式を譲渡する道が確保されているということです。

2 会社が譲渡を承認した場合(=①当初意図した譲渡先に売却する場合)

 譲渡制限株式を株主が当初意図した譲渡先に譲渡することを会社が承認すれば,その株主が譲渡したい譲渡先に譲渡制限株式を売却することができます。
 その場合の売却額は,契約自由の原則が働きますので,当事者間で自由に決めることができます。

3 会社が譲渡を承認しない場合

 ここで注意しなければならない点は,株主が当初意図した譲渡先に譲渡することを承認するよう会社に請求したにもかかわらず,会社が譲渡を承認しない場合,株主が併せて会社または会社の指定する買取人がその株主を買い取ることを請求しなければ,会社は単に譲渡を承認しないだけで足りるということです。
 すなわち,株主が当初意図した譲渡先以外の譲渡先でもいいから,譲渡制限株式を売却したい場合には,会社に譲渡の承認を求める際に,承認をしない場合には会社か会社の指定する買取人が買い取ることを併せて請求する必要があるということです。

⑴ ②会社の指定した買取人に売却する場合

 会社が買取人を指定する場合には,取締役会設置会社では取締役会の決議,それ以外の会社では株主総会の特別決議で決める必要があります。もっとも,定款で特段の定めがあれば,その定めによることになります。
 売却価格は,株主と買取人の協議によって定めることになりますが,協議が調わない場合には,株主が買取人から通知を受け取った時から20日以内に当事者が申立てをすれば,裁判所に売買価格を決めてもらうこともできます。
 この場合,裁判所で審理をした上で売買価格を決定することになりますが,裁判所の株式評価の際には,専門家による株価鑑定が実施されることになります(評価方法については,非上場株式の評価方法(2081.03.12)をご参照ください。)。
 他方,協議が調わないにもかかわらず,当事者が20日以内に申立てをしない場合には,1株あたりの純資産額に買取株式数を乗じた額が売却価格となります。

⑵ ③会社自身に売却する場合

 会社が株式を買い取るときは,株主総会の特別決議による必要があります。この際,譲渡制限株式を譲渡しようとする株主は,株主総会で議決権を行使することができませんので注意が必要です。
 売却価格の決定方法は,②会社の指定した買取人に売却する場合と同じです。

第3 おわりに

 譲渡制限株式を売却する場合には,手続きが複雑に入り組んでいるため,上記でご説明した点以外にも注意が必要であり,法律的な知識や経験が不可欠です。
 ですので,譲渡制限株式の売却についてお悩みの方は,まずは企業法務に強い弁護士が多数在籍する朝日中央綜合法律事務所にご相談ください。当事務は,東京,横浜,大阪,名古屋,福岡及び札幌に拠点がありますので,法律相談の際にはお近くの事務所にお立ち寄りください。

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