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取得時効について

2018.07.04

取得時効についてのアイキャッチ画像

皆さんの中には、時効という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。今回は、時効のうち、取得時効についてお話しします。

取得時効に関しては、民法162条に規定されています。

(民法162条)
(1)20年間、「所有の意思」をもって、「平穏に、かつ、公然と」他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
(2)10年間、「所有の意思」をもって、「平穏に、かつ、公然と」他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に「善意であり、かつ、過失がなかったとき」は、その所有権を取得する。

上記1項、2項いずれの場合でも、「所有の意思」をもって、「平穏に、かつ、公然と」他人の物を占有しなければならないという点は共通しています。

1.「所有の意思」とは、自分のものにしようという内心の意思を持っていることをいいます。

例えば、時計を借りている人は、その時計は貸主の物であると認識していることから所有の意思はないことになります。これに対して、時計の持ち主を脅して時計を奪った人は、一応、自分のものにしようという内心の意思を持っていることとなります。もっとも、このような人は、次で説明する、「平穏に」という要件に該当しないため、結局、時計の所有権を取得できないこととなります。

2.「平穏に、かつ、公然と」とは、暴力的に占有を奪ったりせず、かつ、隠匿したりしていないことを意味しています。

したがって、時計の持ち主を脅して時計を奪った人は、「平穏に」他人の物を占有したとはいえず、結局、時計の所有権を取得することはできません。 上記2点の要件を備えた上で、20年間、その物を占有し続ければ、所有権を取得することができるのです。

また、上記2点に加え、占有開始時において「善意・無過失」であれば、20年間ではなく10年間、その物を占有し続けるだけで、所有権を取得することができます。

3.「善意・無過失」とは、自分が占有する物が自分の所有物であると信じ、かつ、そう信じるについて過失がないことをいいます。

例えば、時計を購入した際に、時計の売主が実はその時計の所有者ではないと知っていた場合や、売主が実はその時計の所有者ではないと知らなかったとしても、その時計には売主とは異なる名前のイニシャルが刻印されている等、一見して、売主の物ではないことが分かる場合には、「善意・無過失」ということはできません。

これに対して、時計の売主が実はその時計の所有者ではないと知らず、かつ、その時計を購入した際にも、その売主が所有者ではないと疑うべき事情もなかった場合には、この買主は、「善意・無過失」であったということができるのです。

なお、動産については、民法第192条に次のような規定が存在します。 「取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。」

したがって、時計を購入した際に、時計の売主が実はその時計の所有者ではないと知らず、かつ、その時計を購入した際にも、その売主が所有者ではないと疑うべき事情もなかった場合には、この買主は、仮にその売主が本当の所有者ではなかったとしても、即時にその物の所有権を取得することができるのです。

不動産の事例

以上は動産に関する事例ですが、実はこの取得時効という問題は、不動産に関しても問題となることがよくあるのです。

例えば、以下のような場合です。 AさんとBさんが隣り合った土地を所有し、その土地の上にそれぞれ建物を建てていました。なお、AさんとBさんは、自分たちの土地の境界を明示するような塀を立てておらず、AさんとBさんの土地の境界がどこにあるかがあいまいになっていました。

そのような中、Aさんは、自分の建物を増築しました。Aさんは、土地の境界線があいまいであったため、自分の土地だと思い、Bさんの土地の一部を跨いで自分の建物を増築してしまい、そのまま20年以上使い続けていました。 このような場合、Aさんは、Bさんの土地の一部を時効に基づき取得することができるのです。

このトピックス記事執筆の弁護士

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