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不動産

必要費・有益費の違い

2018.04.09

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これまで多くの方が、一度はマンション等の賃貸物件を賃借して居住していたことがあることと思います。また、皆さんの中には、マンションの窓が壊れてしまったため自らの費用負担で窓を修理したり、より機能性の高い窓(例えば、外部からの冷気を遮断することのできる窓等)に取り替えたりしたことがある方がいるのではないでしょうか?
このような場合に、窓の修理代やより機能性の高い窓への取り替え費用を、賃貸人に請求することができるでしょうか。

今回は、多くの方が一度は経験することになるであろう不動産の賃貸借契約に関して、不動産を修繕等した場合の費用を請求することができるのか、請求することができる場合に、いつ請求することができるのか、についてお話しします。

不動産を修繕等した場合の費用請求に関する法律上の規定

不動産を修繕等した場合の費用請求に関してお話しする上で関係する法律上の規定が、民法第608条です。

民法第608条

(1)賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる。
(2)賃借人が賃借物について有益費を支出したときは、賃貸人は、賃貸借の終了の時に、第196条第2項の規定に従い、その償還をしなければならない。

民法第196条

(2)占有者が占有物の改良のために支出した金額その他の有益費については、その価格の増加が現存する場合に限り、回復者の選択に従い、その支出した金額又は増加額を召喚させることができる。

必要費とは、その物の保存のために支出した費用などで、マンション等の建物の場合で言えば、維持費のことを言います。
上記でいう窓の修理費は、まさにこの必要費に該当することになります。
したがって、民法第608条第1項により、窓の修理費を支出したマンションの賃借人は、直ちに、その償還を請求することができます。

有益費とは

有益費とは、その物の改良のために支出した費用等のことであり、マンションの造作の利便性を高めるために支出した費用の事を言います。
上記でいう、より機能性の高い窓に取り替えた場合(但し、賃貸借契約によっては、そもそも、賃貸人の了解が必要となるケースも多いと思います。)の費用は、まさにこの有益費に該当することになります。
もっとも、有益費は、賃貸借の終了の時でなければ返還を請求することはできません。
また、必ずしも、当該取り替え費用の償還請求が容易に全額認められることでもありません。有益費については、民法第196条第2項により、賃貸人は、当該窓の取り替えによってマンションの価格が増加している場合(その価格の増加が現存している場合)でなければ費用の償還を請求することはできないからです。

まとめますと、有益費に関しては必要費と比較すると、償還を求めることは難しいと言えます。自ら有益費を支出するときは、注意して支出するほうが良いでしょう。

このトピックス記事執筆の弁護士

別所 大樹

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