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損害賠償

ネットにおける名誉毀損に関する損害賠償

2019.01.04

ネットにおける名誉毀損

1 はじめに

近年、twitterやfacebook等のSNS、2ちゃんねるなどの掲示板等に他人を誹謗中傷する書き込みを行い、問題となっているニュースを耳にすることがあると思います。

2ちゃんねるなどの掲示板は匿名であるため、誹謗中傷を書き込んでも、身元が判明しないように思えます。 しかし、訴訟を行うことで匿名の掲示板であっても、身元が特定できるようになっていますので、今回は被害者が加害者を特定し、損害賠償を請求するまでの流れをご紹介いたします。

2 発信者情報開示請求の仮処分(第1段階)

まずは、掲示板の場合、記載した主体については、記載されていないため、掲示板サービスを提供する運営会社(mixi等のコンテンツプロバイダ)に対し、書き込みを行った者のIPアドレス(機器を識別するための番号)の開示を請求することができます。

ただし、運営会社が任意の開示請求に応じない場合は、裁判所に対し、運営会社を相手方として発信者情報の開示を求める仮処分を申し立てることになります(この請求を認める法律を「プロバイダ責任制限法」といいます。)。

仮処分が認められる主な要件は(1)権利侵害が明白であること(2)正当な理由があることです。 (1)の権利侵害が明白とは、後述する名誉毀損の要件を充足し、真実性、相当性の抗弁が成立しないことを指しますので、相当程度高い立証活動が要求されます。

3 発信者情報開示請求訴訟(第2段階)

仮処分によりIPアドレスの開示を受けても未だ経由プロバイダ(OCN、YAHOO!BB等のインターネット事業者)が判明するのみで、発信者の氏名、住所等は判明しません。そのため、次は経由プロバイダを相手方として、発信者の住所、氏名等を開示するように求める民事訴訟を提起します。

4 名誉毀損(不法行為)に基づく損害賠償請求訴訟(第3段階)

開示請求訴訟で判明した発信者の氏名、住所を元に、発信者を被告とする名誉毀損(不法行為)に基づく損害賠償を提起することになります。

同損害賠償の要件は

  1. 名誉毀損行為
  2. 故意、過失
  3. 損害

因果関係となります

名誉毀損とは、人の社会的評価を傷つけることを指します。たとえば、Aさんは不倫しているという記載は、その人の倫理性の欠如という評価につながり、社会的評価を傷つけるため、名誉毀損に当たります。

但し(1)事実の公共性(2)目的の公益性(3)真実の証明があるときには、行為の違法性が阻却され、不法行為は成立しません(「真実性の抗弁」)。

例えば、一般人が不倫していた等の事実であれば、(1)事実の公共性がなく、真実であっても、損害賠償責任を負う可能性は高いと思われます。

もっとも、(3)真実の証明を欠いた場合でも、確実な資料を検討した上で表現するなど、真実と信ずるべき相当な理由があるときは、損害賠償責任が否定されます(「相当性の抗弁」)。

この点に関し、刑事事件に関する裁判例ですが、ネットにおける名誉毀損に関しても、相当性の抗弁によって損害賠償責任を免れるためには新聞等の報道と同程度に資料を確認することが必要とする裁判例もあります(最高裁平成22年3月15日判決)。

名誉毀損に関する慰謝料額については、従来は10万円~高くても100万円と言われていましたが、近年はネットの普及により、被害が重大化する危険性があり、名誉毀損の内容、被害者に与えた精神的損害の程度によって変わるため、一概には言えません。

5 最後に

近年は、ネットへの名誉毀損表現の書き込みを深く考えずに行ってしまう方もいるようですが類型的に証拠が残りやすく,損害賠償責任のみならず、場合によっては、刑事責任を問われる危険性があり、極めて危険な行為です。

ネットへ書き込む際は、その記載内容を他の人が見たらどのように考えるかを一度考えてから行うべきと考えます。 また、ネットの書き込みに悩んでいる方は一度、弁護士会の相談に行かれることをお勧め致します。

このトピックス記事執筆の弁護士

山本 賢太郎

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