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離婚、離縁

離婚調停の概要

2018.07.09

離婚調停

1.離婚調停とは

前回は、裁判上の手続を経ずに離婚を行う協議離婚について、大まかな概要や注意点を紹介しました。

しかし、相手方との協議が整わない場合や、そもそも相手方と離婚について協議を行うこと自体が物理的・精神的に困難である場合もあります。その場合、裁判所を通した手続で離婚を行う必要があります。これを「裁判上の離婚」といいます。

第1回でご説明した通り、裁判上の離婚には、大きく分けて(1)調停離婚、(2)審判離婚、(3)裁判離婚の3つがあります。日本の法律では、いきなり(3)の裁判離婚を求めることはできず、裁判上の離婚を希望する場合は、まず離婚のための調停を申し立てる必要があります(これを「調停前置主義」といいます)。

以下、この離婚調停の概要についてご説明します(具体的な手続の流れなどについては次回ご説明します)。

2.調停手続のメリットとデメリット

(1)調停手続のメリット

ア.第三者の関与

調停手続は話し合いの手続であり、合意に達しない限り離婚ができないという点では、協議離婚と調停手続とで大きな違いはありません。しかし、協議離婚は夫婦同士で直接協議を行わなければならないのに対し、離婚調停においては、裁判官・調停委員という第三者(これを「調停委員会」と言います。)が手続に関与するという点が大きく異なります。 離婚の問題が生じている夫婦間では、既に関係がこじれており、当事者同士で冷静に協議ができない状態になってしまっているケースも少なくありません。 調停手続においては、基本的に申立人と相手方が交互に部屋に入り、調停委員から別々に事情の聞き取りが行われることから、相手方と顔を合わせない形で手続が進めることができます。

また、第三者が間に入っているため、冷静に協議をできる可能性が高まり、相手方があまりにも不当な要求をするような場合には、調停委員から相手方を諌めてもらえる可能性もあります。

また、調停委員会からは、双方の話を踏まえて妥当と思われる合意案が示されることもあり、当事者のみでは思いつかない解決方法が提示されることもあります。

イ.離婚条件が調停調書として書面に残ること

離婚調停が成立した場合、合意内容が「調停調書」に記載され、裁判所に記録として残ることになります。協議離婚の場合も、「離婚協議書」といった形で書面を残すことは少なくありませんが、調停調書は裁判所で作成されるものであり、その正確性、信用性はより高いものといえます。

また、通常の離婚協議書のみでは、相手方が協議書に記載された内容を守らない場合には、その内容を履行することを求めて別途裁判を起こすことなどが必要となります。これに対し、調停調書に記載した合意内容を相手方が履行しない場合は、調停調書に基づいて、家庭裁判所から履行勧告をしてもらうことや、差押え等の強制執行を行うこともできるため、調停調書が残ることで、合意内容の履行の強制力が大きく強まるといえます。

ウ.柔軟な解決ができること

調停は、両者の話し合いによる手続であるため、相手方と合意さえできれば、離婚に付随する条件を様々な方法・内容で詳細に定めることができ、柔軟な解決を図ることができます。この点は、判決で定めることのできる内容が固定的である離婚訴訟手続と大きく異なる点です。

(2)調停手続のデメリット

ア.あくまで合意が前提の手続であること

調停手続は、あくまで両当事者の話合いによる解決を目的とする手続であるため、双方が合意に至らなければ調停は不成立となり、手続は終了となります。

審判離婚や裁判離婚と異なり、合意が整っていないにもかかわらず、裁判所から一定の判断が出されることはありません。したがって、離婚の条件に関する双方の意見に開きが大きい場合や、そもそも相手方に離婚をする意思が全くない場合等は、合意に達することができず、離婚調停を申し立てたとしても解決に至らないことが多いです。

ただし、離婚訴訟を提起するためには、離婚調停手続を経ることが必須となるので、不成立になる可能性が高いとしても、後の離婚訴訟提起のために離婚調停を申し立てることになります。

イ.相手方が欠席した場合の対応が困難

アで述べたとおり、調停が成立するためには両者の合意が必要です。したがって、調停を申し立てても相手方が欠席を続ける場合は、合意の可能性がないと判断され、調停は不成立となってしまいます。

欠席をする当事者を強制的に出席させることはできないため、相手方が欠席を続けた場合に対処する方法は困難であると言わざるをえません。もっとも、その場合には、調停が不成立となった後に離婚訴訟を提起することができます。

3.まとめ

以上述べてきた点が、離婚調停の概要となります。

調停手続においても、協議離婚のところで述べたのと同様に、離婚条件に関し、漏れのない調停調書を作ることが必要になります。

また、離婚調停では、相手方だけでなく調停委員や裁判官とのやり取りも必要になり、裁判所から書面の提出を求められることもあります。このため、離婚調停が相手方と直接顔を合わせなくても良い手続であるとしても、調停を有利に進めるためには、経験豊富な専門家である弁護士の助言は大きな意味を持つと思われます。

離婚調停の申立を検討されている方、離婚調停を申し立てられた方は、弁護士に相談をすることを強くお勧めします。

このトピックス記事執筆の弁護士

上里 一海

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