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離婚、離縁

第7回 離婚原因①

2018.12.28

離婚原因

0 はじめに

   

前回、裁判離婚について、大まかな手続きの流れと裁判離婚の要件の概要についてご説明しました。

   

今後は、複数回にわたって、裁判離婚が認められるための中心的な要件である「離婚原因」(民法第770条第1項第1号~第5号)について、具体的な判例などもお示ししながらご説明いたします。

1 「配偶者に不貞な行為があったとき」(民法第770条第1項第1号)

 

⑴ 意味

   

「不貞な行為」とは、配偶者のある者が、自由な意思に基づいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことと解されています(最判昭和48年11月15日)。「不貞な行為」を一般的な言葉に変換すると、いわゆる「浮気」や「不倫」のことを指すことになりますが、一時的な関係であっても「不貞な行為」にあたり得ることに注意が必要です。

   

不貞行為は婚姻制度の根幹を揺るがすものであるとして離婚原因の筆頭に掲げられています。

 

⑵ 同性愛と不貞行為

   

これまでの議論では、配偶者が性的関係を結んだ相手が同性であった場合、「不貞な行為」に該当しないと解されてきました。つまり、「不貞な行為」とされるためには、性的行為の相手は異性であることが要求されていました。

したがって、配偶者が同性愛行為を行ったとしても、それが「不貞な行為」にあたることはなく、同性愛行為は「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」(民法770条第1項第5号)という別の離婚原因になり得る、と説明されてきました。

   

しかし、現代社会においてパートナーの形が多様化していることは、LGBTに関する種々の議論に立ち入るまでもなく、公知の事実となっています。今後は、法改正や、解釈の変更により、同性愛も「不貞な行為」の範疇に入ってくる可能性は十分にあると思われます。

2 「配偶者から悪意の遺棄があったとき」(民法第770条第1項第2号)

 

⑴ 意味

   

「悪意の遺棄」とは、夫婦間の同居・協力・扶助義務(民法第752条)に違反して、正当な理由なく配偶者を放置する行為を指します。

   

夫婦間には婚姻費用分担義務(民法第760条)が存在し、生活費等婚姻から生ずる費用を分担する必要があることから、収入のある(多い)配偶者が収入のない(少ない)配偶者に一切金銭を給付せず、婚姻費用を分担しないまま放置する場合なども、「悪意の遺棄」に該当すると考えられています。

⑵ 「悪意の遺棄」を理由とした裁判離婚

  

「悪意の遺棄」を離婚原因とした裁判離婚が認められるケースはさほど多くないと言われています。

  

別居に至る背景には、不貞行為、家庭内暴力(DV)、長期にわたる夫婦間の不和など様々な事情があります。

  

これらの事情は、民法第770条第1項記載の他の離婚原因(不貞行為や婚姻を継続し難い重大な事由等)に該当し、これらの離婚原因の存在を示す事実として裁判上主張されることが多いことから、結果として「悪意の遺棄」以外の離婚原因で裁判離婚が認められることが多いようです。

3 「配偶者の生死が三年以上明らかでないとき」(民法第770条第1項第3号)

   

配偶者が失踪してしまい、連絡が全く取れなくなってしまった場合や、事故に巻き込まれ、所在不明となってしまった場合などに、裁判で一方の配偶者から離婚することができるようにするために設けられた規定です。

   

民法は戦前に作られた法律であり、本条項が想定していた一つの典型的なケースは、配偶者が戦争で生死不明となった場合であると言われていますが、実際上は生死不明の原因は問われておりません。もっとも、単なる行方不明や音信不通では足りず、配偶者が死亡している可能性が相当程度認められることが必要と解されています。

   

このように、配偶者の生死不明は離婚原因になるとされていますが、実際上、配偶者の生死が不明な場合には、失踪宣告(民法第30条)等の制度を用い、当該配偶者を死亡扱いとして、婚姻関係を終了させるとともに相続の手続を行う方法を採り得るため、配偶者の生死不明を離婚原因とした裁判離婚はきわめて少ないのが実情です。

4 小括

   

今回は、民法の明文で5種類定められている離婚原因のうち、3つについて概略を説明して参りました。次回以降も、その他の離婚原因につき、その具体的な内容や裁判所の判断等についてご説明させていただきます。

ご不明点等は、朝日中央綜合法律事務所へご相談ください。

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