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成年被後見人になった後の生活②

2018.10.01

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前回は、成年後見人の包括的な代理権についてご説明しました。 今回は、それ以外の成年後見人の権限についてご説明します。

1 取消権

⑴ 成年後見人は、本人(成年被後見人)の行った法律行為を取り消すことが出来ます(民法9条本文)。

法律行為というのは、権利または義務の発生、変更または消滅など権利変動(法律効果)の原因となる意思表示を要素とする行為のことです。例えば売買契約は、売主と買主の「売ります」「買います」という意思表示により成立し、これにより売主には買主に対し物を引き渡す義務が、買主には物の代金を支払う義務が発生します(法律効果)ので、法律行為の1つといえます。

成年後見人は、本人が行ったこのような法律行為を取り消すことが出来ます。例えば、本人が、必要のない高価な絵画を買う売買契約を締結してしまったとしましょう。この時、成年後見人は本人の締結したこの絵画の売買契約を取り消すことが出来ます。

取り消された行為は、初めからなかったこととみなされ、現に利益を受けている限度において返還しなければなりません(民法121条)。先ほどの絵画の例だと、もし本人が取消以前に絵画の引渡しを受けていた場合、売買契約を取り消したらもう絵画を持っている理由もなくなるのですから、本人はこの絵画は売主に返さなければなりません。

⑵ この取消権も全ての法律行為に適用されるわけではありません。

 

本人が行った日用品の購入その他の日常生活に関する行為については、成年後見人でも取り消すことが出来ないのです(民法9条ただし書き)。  というのも、普段している小さな買い物まで一人でできないとなると、本人の自立した生活を過剰に制限することになり窮屈ですし、行為の相手方についても、逐一契約の相手が被成年後見人かどうかを調べなければならなくなり大変だからです。

 

また、この「日常生活に関する行為」というのは、ひとそれぞれ、その人の生活状況、財産状況などによって変わってくるので難しいところがあります。例えば、コンビニでお菓子を買う、という程度であれば一般的に「日常生活に関する行為」といえるのではないかと考えますが、先ほどの絵画の例であっても、もしかしたら日常的に絵画を購入している人であれば「日常生活に関する行為」に該当する可能性もあります。ですので、何が本人にとって「日常生活に関する行為」に該当するか、は慎重に検討することが必要です。

2 追認権

⑴ 成年後見人は、本人のした取り消すことのできる法律行為を追認することが出来ます(民法122条本文)。

 

本人のした法律行為は、取消の可能性のある不完全で不安定な法律行為でしたが、成年後見人が、「これは本人のために取り消さなくても良いな」、と判断した場合に、後から追認して完全に有効な法律行為にすることが出来るのです。

 

先ほどの絵画の例でいえば、本人が大の絵画好きで、高価とはいえ適正な価格で価値の高い絵画を購入し、今後の生活にも困るようなことはない、というように、絵画の購入が本人にとって不利益ではないと成年後見人が判断した場合、成年後見人はこの絵画購入を追認し、有効な契約とすることが出来ます。

⑵ 追認が出来るならば、元々本人に同意しておいても同様に有効な法律行為が出来るのではないか、と考えるかもしれません。

 

しかし、例えば、A絵画を本人が買うことを成年後見人が事前に同意していたとして、本人がきちんとA絵画を適正な価格で購入できるかはわかりません。とんでもない値段で買い取ってきたのに、もう取消が出来ないということになると、本人保護に欠けます。ですので、事前の同意というものは出来ないことになっています。

<p>成年後見人の権限について、まずは専門家(弁護士)に相談されることをお勧めします。

このトピックス記事執筆の弁護士

kusanagi

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