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地代・家賃増減額

賃貸借契約の期間中に賃料を変更することができるか

2018.01.15

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賃料増減請求とは

土地や建物の賃貸借契約における賃料は、賃貸借契約の期間の途中で一方的に変更することができるのでしょうか。
一般に、土地や建物の賃貸借契約は長期間にわたって続きます。その間、不動産の価格の変動を含めて経済情勢が変動することもありますし、固定資産税・都市計画税などの租税公課が増減することもあります。これらの事情の変更により、賃貸借契約を締結する時に定めた賃料の金額を維持することが不当となる場合があります。

このような場合には、賃貸人と賃借人の話し合いにより、賃料の金額を合理的な水準に改定することが望ましいですが、賃料を少しでも増額したい賃貸人と、賃料を少しでも減額したい賃借人の利益が衝突するため、話し合いが円滑に進むとは限りません。 そこで、建物所有を目的とする地上権又は土地の賃借権と、建物の賃貸借を適用対象とする借地借家法において、地代・土地の賃料の増減請求(同法第11条)、建物の賃料の増減請求(同法第32条)が認められています(以下、両方を併せて「賃料増減請求」といいます。また、以下、地代と賃料を併せて単に「賃料」といいます。)。

賃料増減請求は、賃料の金額が不相当な水準のまま維持されるという不都合を回避するため、公平の観点から、改定を求める当事者の一方的な意思表示により、従前の賃料の金額を将来に向かって客観的に相当な金額に改定する権利です。

賃料増減請求の要件

(1)借地借家法が適用される賃貸借契約の当事者が賃料増減請求をするためには

1.租税公課の増減、不動産価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動、近傍類似の土地又は近傍同種の建物の賃料との比較等により、賃料の金額が不相当となったこと

2.当事者の一方が、他方に対して、賃料増減請求の意思表示をすること

が必要です。また、一定の期間賃料を増額しない旨の特約も有効であることから、賃料増額請求については、

3.一定の期間賃料を増額しない旨の特約がないこと

も要件になりますが、仮にこのような特約がある場合でも、特約の期間が長期にわたるものであって、その間に経済事情が激変した場合には、かかる特約は効力を失い、賃料増額請求をすることができる旨を判示した裁判例があります(横浜地判昭和39年11月28日判タ172・212)。 他方、賃料を減額しない旨の特約については、そのような特約があっても借地借家法第11条の適用を排除することはできない旨の最高裁判例があります(最判平成16年6月29日判タ1159・127)。

(2)租税公課の増減、経済事情の変動、近傍類似の土地又は近傍同種の建物の賃料との比較などの各要素は例示であり、これらの要素以外の要素、たとえば、前回の改定から経過した期間の長短や、当事者間の個人的事情が考慮されることもあります。

裁判例には、当事者間の親密な関係を理由として賃料の金額が近隣の相場よりも低く定められていた場合において、そのような事情がなくなった場合には、賃料の金額を他人間で賃貸する場合の賃料の金額になるまで増額すべきである旨を判示したものがあります(東京高判平成12年7月18日金融・商事判例1097・3)。

賃料増減請求の効果

当事者の一方が賃料増減請求の意思表示をした場合、将来に向かって賃料の金額が増減します。ただし、賃貸人が賃料増額請求をした場合、賃料の増額を正当とする裁判が確定するまでは、賃借人は「相当と認める額」の賃料を支払うことをもって足ります。また、賃借人が賃料減額請求をした場合、賃料の減額を正当とする裁判が確定するまでは、賃貸人は、「相当と認める額」の賃料の支払いを請求することができます。

賃料増減請求の効果は「将来に向かって」生じるものであることから、賃料の金額が不相当である期間が長期間継続している場合であっても、過去にさかのぼって賃料の金額が増減することはありません。

このトピックス記事執筆の弁護士

田中 真之

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