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地代・家賃増減額

賃料増減請求の要件

2018.06.25

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はじめに

借地借家法において、土地の賃料増減請求が認められるためには、「地代又は土地の借賃(以下この条及び次条において「地代等」といいます。)が、土地に対する租税その他の公課の増減により、土地の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となったとき」(借地借家法第11条第1項本文)という要件に該当する必要があります。

また、借地借家法において、建物の賃料増減請求が認められるためには、「建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったとき」(借地借家法第32条第1項本文)という要件に該当する必要があります。

以下では、これらの要件について解説します。

土地の賃料増減請求の要件

(1) 「土地に対する租税その他の公課」には、一般的には土地の固定資産税及び都市計画税が該当しますが、水利地益税(地方税法第5条第6項第2号)も含まれます。

(2)「土地の価格の上昇若しくは低下」とは、文字どおり賃料増減請求をする土地の価格の上昇又は低下を意味します。

(3)「その他の経済事情の変動」とは、土地の価格の上昇・低下以外の経済事情の変動を意味し、具体的には、物価指数、通貨供給量、労働賃金指数等の経済指標の変動がこれに該当します。

(4)「近傍類似の土地の賃料との比較」とは、近隣地域ないし同一需給圏内の類似の土地の賃料との比較をいいます。

(5)「不相当となったとき」とは、現行の賃料に当事者を拘束することが公平に反することをいい、これが賃料増減請求の中心的な要件です。実際に賃料増減請求権を行使して、訴訟で相当な賃料額を定める場合には、裁判所が不動産鑑定士を鑑定人に選任し、この不動産鑑定士が適正な賃料の金額を鑑定評価し、裁判所がこれに基づいて「相当な賃料」の金額を認定するのが通常です。裁判所は、裁判所が鑑定人に選任した不動産鑑定士が算定した賃料額を「相当な賃料」と認定することが多いといえますが、不動産鑑定士が算定した賃料額を修正したうえで「相当な賃料」とすることもあります。

なお、現行の賃料が定められた時から相当期間が経過したことは、「不相当となったとき」に該当するか否かを判断する際の事情として考慮されますが、現行の賃料が「不相当」となっているにもかかわらず、現行の賃料が定められた時から一定の期間を経過していないことを理由として賃料増減請求が否定されるものではありません。

建物の賃料増減請求の要件

(1)「土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減」とは、土地・建物の固定資産税及び都市計画税のほか、賃料増減請求の対象となる建物及びその敷地に要する必要経費の増減をいいます。

固定資産税・都市計画税以外の必要経費として、建物の維持管理費、修繕費、損害保険料等が挙げられます。仮に、建物の敷地が借地の場合には、土地の固定資産税・都市計画税に代わり、土地の賃料額が必要経費に該当します。

(2)「土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下」は、建物の賃料が、建物の価格や建物の敷地の価格に従って定められるという性質を有することから、賃料増減請求が認められるための要素として当然考慮されます。

(3)「その他の経済事情の変動」は、建物の価格・建物の敷地の価格の上昇・低下以外の経済事情の変動を指し、具体的には、土地の賃料増減請求の場合と同様に、物価指数、通貨供給量、労働賃金指数などの指標の変動を意味します。

(4)「近傍同種の建物の借賃に比較して」とは、近隣地域ないし同一需給圏内における同種の建物の賃貸借における賃料と比較することをいいます。

(5)「不相当となったとき」とは、現行の賃料に当事者を拘束することが公平に反することをいい、建物の賃料増減請求においても、これが中心的な要件です。実際に賃料増減請求権を行使して、訴訟で相当な賃料額を定める場合には、裁判所が不動産鑑定士を鑑定人に選任し、この不動産鑑定士が適正な賃料の金額を鑑定評価し、裁判所がこれに基づいて「相当な賃料」の金額を認定するのが通常です。裁判所は、裁判所が鑑定人に選任した不動産鑑定士が算定した賃料額を「相当な賃料」と認定することが多いといえますが、不動産鑑定士が算定した賃料額を修正したうえで「相当な賃料」とすることもあります。

なお、現行の賃料が定められた時から相当期間が経過したことは、「不相当となったとき」に該当するか否かを判断する際の事情として考慮されますが、現行の賃料が「不相当」となっているにもかかわらず、現行の賃料が定められた時から一定の期間を経過していないことを理由として賃料増減請求が否定されるものではありません(旧借家法第7条に基づく賃料増額請求の判例として、最判平成3年11月29日判時1443・52があります。)。

おわりに

賃料増減請求の要件についてご紹介いたしましたが、実際に賃料増減請求をする場合には、当事者間の具体的な事情を総合的に考慮しこれらの要件を検討しなければならず、法的な知識や理解が不可欠です。

そこで、賃料の改定についてお悩みの方は、解決に向けて適切に行動することができるよう、まずは専門家である弁護士にご相談ください。

このトピックス記事執筆の弁護士

佐久間 洋介

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