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非上場株式の売却・評価

非上場株式の評価方法

2018.03.12

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非上場株式の評価方法

前回お話ししたとおり、非上場株式には市場がなく、そのため一般の取引価格というものが存在しません。そこで、非上場株式を売却する際には、どのような方法で株式を評価するかということが問題となります。
そこで、今回は、非上場株式の様々な評価方法をご紹介します。

1.純資産価額方式

企業の純資産に着目して、企業の価値や株価などを算定する方法です。
この方法による価値の評価は、企業や株式の静的価値を表すものであるといえます。
純資産価額方式には、(1)簿価純資産価額方式と(2)時価純資産価額方式があり、後者についてはさらに、1.再調達時価純資産方式と2.清算処分時価純資産方式に区分されます。

(1)簿価純資産価額方式

企業の会計帳簿上の純資産額をもって企業の価値とし、これを発行済株式総数で除したものが株式の評価であるとする評価方式です。
計算が簡便であるというメリットはありますが、その一方で、多額の含み損・含み益がある場合に、企業の適正な価値を反映できないというデメリットがあります。

(2)-1.再調達時価純資産方式

ある時点において、当該企業の資産と同様の資産を形成しようとした場合にどれほどの費用を要するか、との観点から時価評価を行う方式です。同一の事業の継続を前提とする算定方式であるといえます。

(2)-2.清算処分時価純資産方式

ある時点において、当該企業の全資産を処分するとすればどれほどの評価額となるか、との観点から時価評価を行う方式です。解散を前提としている会社に適する算定方式であるといえます。

2.収益方式

企業のフローとしての収益又は利益に着目して、企業の評価及び価値などを評価する方式です。この方式による評価は企業の動的価値を表すものであり、継続企業を評価する場合、理論的には最も優れた方法であるといえます。ただ、その評価が将来の収益に全面的に依存しているため、その根拠が不確実となる欠点が指摘されています。
収益方式には、(1)収益還元方式と(2)DCF法と呼ばれる方法があります。

(1)収益還元方式

評価対象会社は将来生み出す収益の現在価値に着目した算定手法です。過去の決算数値などから評価対象会社の将来予想収益を推計し、その将来予想収益を資本還元率で現在価値に割り戻す方法で、価格算定を行います。

(2)DCF法

企業が将来獲得するであろうキャッシュフローを資本還元率で現在価値に還元する方式です。この方法で適正な評価を行うためには、その前提となる事業計画が合理的に算定され、客観的に検証可能であることが非常に重要な要素となっており、事業計画に恣意的な要素が含まれる場合などには、妥当な算定を行うことは困難であるといえます。

3.配当還元方式

将来期待される配当金額に基づいて株価を算定する方式です。
収益還元方式が会社全体の利益を自己の所得としてみる支配株主としての視点に立つのに対し、配当還元方式は、会社の利益ではなく、自己の受け取る配当金だけに着目するため、少数株主としての視点に立つ算定方式です。そのため、売買当事者が配当のみを期待する一般投資家である場合に、最も合理的な算定方法であるといえます。

4.類似会社(または類似業種)比準方式

業種、規模などが類似する公開会社(類似会社)または同じ業種の公開会社と比較して、会社の価値及び株価を鑑定する方式です。類似性のある会社または業種の選定が困難な場合が多いことや、類似性の検証が客観的に困難であることが欠点としてあげられます。

5.取引先例価格方式

過去の取引事例を基にして株価を算定する方法です。ただ、市場性のない 株式の取引先例が、株式の交換価値を適正に反映していることは稀であるとの指摘があります。

6.併用方式

1~5の各種方式を一定のルールで組み合わせて、会社の価値及び株価などを鑑定する方式であり、多面的要素を算定に取り入れる者として、裁判実務上主流となっている方式です。
支配株式の評価にあっては、時価純資産方式と収益還元方式を加重平均して株価を算定するのが一般的です。

おわりに

ご説明したとおり、非上場株式の評価方法は多岐にわたり、また、併用方式の場合には、いずれの方式を基礎とするか、どのような比重とするか等の問題もあります。
そのため、どのような評価が合理的なものであるかについては、各企業の具体的状況や、今後の運営方針により判断されることになります。

このトピックス記事執筆の弁護士

榊原 新也

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