離婚の慰謝料

離婚、離婚財産分与ガイド

離婚に関する質問に弁護士が答えたQ&Aです。離婚の種類、無効な協議離婚例、離婚原因、有責配偶者からの離婚請求の可否、離婚に伴う財産分与、慰謝料、離婚に伴う氏・戸籍、国際離婚などの相談事例をご紹介します。

離婚のQ&A5|離婚の慰謝料

(6)

離婚の慰謝料

(イ)

慰謝料の金額

Q:
離婚により財産分与をしてしまった場合に、その後慰謝料請求をすることはできるのでしょうか(財産分与の慰謝料的要素)?
A:
1.
財産分与の慰謝料的要素
離婚による慰謝料としては、離婚原因を作った有責配偶者に対する慰謝料と離婚をすること自体から生じる慰謝料があります。
そして、財産分与の要素に離婚に伴う損害賠償請求を含めることができると解されているので(慰謝料的要素)、財産分与において上記2つの慰謝料請求を考慮することができると解されています。
2.
財産分与後の慰謝料請求
上述したように、財産分与において、慰謝料的要素をその1要素とすることができるため、財産分与後には慰謝料請求をすることができないとも思えますが、財産分与において慰謝料を考慮したとは考えられない場合、または財産分与の額等からして慰謝料を考慮したとはとても言えないような場合には、財産分与後にも慰謝料請求をすることができる場合があります。
3.
慰謝料の請求期間
不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が損害及び加害者を知った時から3年間請求しない場合には請求できなくなります。慰謝料請求権は不法行為に基づく損害賠償請求権であるため、離婚後3年間が経過した場合には、慰謝料を請求することができなくなります。
(ロ)

慰謝料と財産分与の関係

Q:
離婚による慰謝料額の相場を教えて下さい。
A:
1.
慰謝料について
離婚による慰謝料とは、配偶者の不法行為に基づく精神的損害を被った場合に支払われる損害賠償をいいます。
2.
慰謝料の算定基準
離婚による慰謝料の額は、ア.配偶者の有責性、イ.配偶者の資力、ウ.婚姻期間、その他の事情を総合的に考慮して判断され、ケースによって、0円から1500万円程度の幅があります。
実際の裁判では、0円から400万円以内とする事件が8割以上になります。
過去の慰謝料に関する裁判例は以下の通りになりますので、参考にして下さい。
(ハ)

財産分与後の慰謝料請求の可否

Q:
夫の不貞行為を原因として離婚することになりました。私(妻)は夫の愛人に対して、慰謝料を請求できるのでしょうか?
A:
1.
愛人に対する慰謝料請求
慰謝料とは、相手方の不法行為に基づく精神的損害を被った場合に支払われる損害賠償をいいます。
したがって、配偶者と愛人との不貞行為により、精神的損害を被った被害者は、配偶者のみならず、愛人に対しても慰謝料を請求することが出来ます。
愛人に対して、請求できる慰謝料の金額ですが、200万円から300万円程度が相場となっています。
2.
配偶者が婚姻を隠していた場合
不法行為とは、故意又は過失によって、他人の権利を侵害することをいいます。
そのため、配偶者が結婚していることを愛人に隠していた場合、すなわち、愛人が配偶者が結婚していることを知らなかった場合には、愛人には故意又は過失がなく、愛人の不貞行為は不法行為に当たらないことになります。
したがって、このような場合には、愛人に対して慰謝料を請求することはできません。
故意とは、自己の行為から一定の結果を生じることを認識しながら、敢えてその行為にいたることをいいます。
過失とは、自己の行為から一定の結果が生じることを認識できたにもかかわらず、注意を欠いてそれを予見しないことををいいます。
(7)

離婚に伴う氏・戸籍

Q:
夫と離婚したのですが、仕事の関係上今の姓を名乗りたいのですが可能でしょうか、また子の姓がどうなるのでしょうか
A:
1.
離婚後の氏
離婚した場合には、原則として、婚姻により氏を変更した者は婚姻前の氏に戻すことになりますが、離婚の日から3カ月以内に届出をした場合には、婚姻中の氏を使用することができます。もっとも、3カ月を経過した後であっても、やむを得ない理由のある場合には、その旨記載した氏の変更の許可の申立てを家庭裁判所にし、やむを得ない理由があると認められた場合には、婚姻中の姓を使用することができます。
手続きとしては、離婚届けの新戸籍をつくる欄をチェックし、その後届出をすることになります。
また、婚姻中の姓を名乗ることにした場合であっても、その後やはり婚姻前の姓に戻したいと考えた場合には、家庭裁判所に氏の変更の許可を申立てて、家庭裁判所が氏を戻すことを認めた場合には、姓を戻すことができます。
2.
子の氏について
両親が離婚しても、子の戸籍は婚姻中の戸籍のままであるため、子の姓は婚姻中の姓のままということになります。すなわち、子の姓は、当然に親権者の姓になるというものではありません。
そこで、子の姓を親権者の姓と同様にするためには、家庭裁判所に子の氏の変更申立てをすることになります。