A、 Bは、 共同してY社を経営し、 A、 Bの他にC、 Dが株主となっていたところ、 Bが死亡し、 Xがこれを相続しました。 Xは、 C、 D名義の株式は名義株であり、 実質的株主はBであったとして、 Y社に対し、 B、 C、 Dの名義となっている株はすべて自己のものであることの確認を求めました。
訴訟上、 X側は、 C、 D名義の株はBが出資したものであると主張し、 Y社側は、 C、 D名義の株は、 代表者であるAが出資したものであると主張し、 双方、 立証活動を行いました。
ただ、 Xは配当等金銭的利益に関心があり、 将来的にY社の経営に参加していく意思はなかったため、 Xが所有する全Y社株 (C、 D名義を含むかは明示せず) をAが買い取る旨の和解が成立しました。
会社の支配権争いの場面において、 名義株の存在が問題を紛糾させることがままあり、 特に、 これに相続が絡むと、 出資当時の事情を直接知っている人がいないために、 問題は更に複雑になります。
紛争の未然防止のためには、 株式の名義借りの際にも書面を残しておくことが望ましいでしょうが、 そこまで綿密な扱いをすることは稀でしょう。 名義株である以上、 株主名簿も決め手にはなりません。
後日、 争いになった場合には、 誰が株主として扱われ、 あるいは振舞っていたのか、 即ち、 株主総会の通知は誰に送付され、 配当は誰に支払われていたのか、 新株発行の際、 現実に出資したのは誰か等の事情が訴訟の結論を左右することになります。