調停の知識8|特定調停の申立

調停ガイド

第3

特定調停

特定調停の申立

(1)

申立権者

(イ)
特定調停に関する法律により、特定調停を申立てることができる者は、「特定債務者」に限定されています。したがって、「特定債務者」に当たれば、特定調停を申立てることができます。
(イ)
特定調停に関する法律により、特定調停を申立てることができる者は、「特定債務者」に限定されています。
したがって、「特定債務者」に当たれば、特定調停を申立てることができます。
(ロ)
特定調停に関する法律は、「『特定債務者』とは、金銭債務を負っている者であって、支払不能に陥るおそれのあるもの若しくは事業の継続に支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することが困難であるもの又は債務超過に陥るおそれのある法人をいう。」と規定しています。
すなわち、金銭債務を負っている者であって、かつ、下記(a)から(c)のいずれかに該当する者が、「特定債務者」に当たることになります。
(a)
金銭債務の支払い不能に陥るおそれのある個人又は法人
(b)
事業の継続に支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することが困難である事業者である個人又は法人
(c)
債務超過に陥るおそれのある法人
(2)

申立方法

特定調停に関する法律は、「特定調停については、この法律に定めるもののほか、民事調停法の定めるところによる。」と規定しています。
そして民事調停法は、「調停事件は、特別の定がある場合を除いて、相手方の住所、居所、営業所若しくは事務所の所在地を管轄する簡易裁判の所又は当事者が合意で定める地方裁判所若しくは簡易裁判所の管轄とする。」と規定しています(民事調停法3条)。
したがって、基本的には相手方の住所地を管轄する簡易裁判所に特定調停を申立てることになります。
もっとも、紛争当事者間で特定調停を申立てる裁判所について合意をしている場合には、その合意の内容に従った地方裁判所又は簡易裁判所にも申立てることができます。
いずれの裁判所が相手方の住所地を管轄しているか等については、裁判所のホームページ又は近くの裁判所の窓口で調べることができます。
(3)

申立書の記載事項

(イ)
記載事項
特定調停の申立書には、下記(a)から(f)までの事項を記載する必要があります。
(a)
当事者の表示
申立人及び相手方の氏名・住所を記載します。また代理人が申立てる場合には、その代理人の氏名・住所を記載します。
さらに、申立人又はその代理人は、押印を要します。
(b)
作成年月日
特定調停の申立をする日付を記載します。
(c)
裁判所の表示
特定調停を申立てる裁判所を記載します。
(d)
紛争の要点
紛争の概要に関して記載します。
(e)
申立の趣旨
申立人が、紛争において、望んでいる解決を記載します。
(f)
特定調停手続により調停を行うことを求める旨の申述
「特定調停の手続きによる調停を求める。」旨を記載します。
(ロ)
申立書の記載例
代表的な民事調停の申立書の記載例としては、当サイトの「調停の書式・文例」をご覧下さい。
(ハ)
申立書の入手場所
特定調停の申立書は、各簡易裁判所に用意してあります。
(4)

提出書類

(イ)
法律の規定 特定調停に関する法律は、特定調停の申立の際には、「申立と同時に(やむを得ない理由がある場合にあっては、申立の後遅滞なく)、財産の状況を示すべき明細書その他特定債務者であることを明らかにする資料及び関係権利者の一覧表を提出しなければならない。」と規定しています。
したがって、特定調停の申立の際には(やむを得ない場合には、申立の後遅滞なく)、申立書に加えて、「財産の状況を示すべき明細書その他特定債務者であることを明らかにする資料」、及び、「関係権利者の一覧表」を提出することになります。
(ロ)
「財産の状況を示すべき明細書その他特定債務者であることを明らかにする資料」
「財産の状況を示すべき明細書その他特定債務者であることを明らかにする資料」には、下記(a)から(c)について具体的に記載する必要があります。
(a)
申立人の資産、負債その他の財産の状況
(b)
申立人が事業を行っているときは、その事業の内容及び損益、資金繰りその他の事業の状況
(c)
申立人が個人であるときは、職業、収入その他の生活の状況
(ハ)
「関係権利者」とは、特定調停の対象債務の債権者及び担保権利者全員のことを指します。
そして、「関係権利者の一覧表」には、「関係権利者」の氏名又は名称及び住所、「関係権利者」の有する債権又は担保権の発生原因及び内容を記載する必要があります。
(5)

必要書類を提出することができなかった場合

(イ)
法律の規定
特定調停に関する法律は、「特定調停においては、調停委員会は、・・・、申立人が特定債務者であるとは認められないとき、又は事件が性質上特定調停をするのに適当でないと認めるときは、特定調停をしないものとして、事件を終了させることができる。」と規定しています。
(ロ)
各書類の提出を怠った場合
特定調停の申立人が、「財産の状況を示すべき明細書その他特定債務者であることを明らかにする資料」、及び、「関係権利者の一覧表」を提出しなかった場合には、調停委員会は、その申立人が特定債務者であるか否か、又は、事件が性質上特定調停をするのに適しているか否かを判断することができません。
したがって、このような場合には、上記(イ)の規定より、調停委員会は、特定調停を終了させることになります。
(6)

申立費用

(イ)
費用
特定調停の申立に際しては、手数料と郵便切手の費用がかかります。
(ロ)
手数料
手数料は、収入印紙で支払うことになります。
手数料は、特定調停の対象となっている金額に比例して増加します。
具体的な金額については、近くの簡易裁判所の受付相談センター等に相談して下さい。
(ハ)
郵便切手
郵便切手は、紛争当事者に関係書類を送るため等に使用されます。
郵便切手の金額は、相手方の人数や書類を郵送する回数などによって異なるため、具体的な金額については、申立をする簡易裁判所に相談して下さい。

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