調停の知識13|家事調停の調停手続きの終了、調停に代わる審判

調停ガイド

第4

家事調停

5

調停手続きの終了

(1)

効果

(イ)
家事調停の成立
紛争に関して、当事者間の話合いがまとまると、その内容の調停調書が作成されます。この調書には、原則として、後から不服を唱えることはできません。
この調書には、確定した判決と同様の効力があり、当事者の一方が、調停の内容に従わない場合には、その内容を実現するため、強制執行を申し立てることができます。
強制執行とは、一定の義務を負っている者がその義務に従わない場合に、国の権力によって強制的にその義務を実現させるための制度のことをいいます。
また、家事調停手続においては、調停で定められた義務を相手方が守らない場合に、家庭裁判所が相手方に対して義務の履行の勧告・命令をする制度があります。
(ロ)
調停調書
調停調書は、家庭裁判所に調停調書交付の請求書を提出することにより受け取ることができます。
調停調書交付の請求書の記載方法等については、紛争の担当の裁判所書記官、家庭裁判所の家事相談室等に相談して下さい。
(2)

相手方が調停で定められた事項を守らない場合

(イ)
強制執行
家事調停が成立し作成された調停調書には、確定した判決と同様の効力があり、当事者の一方が、調停の内容に従わない場合には、その内容を実現するため、強制執行を申し立てることができます。
強制執行とは、一定の義務を負っている者がその義務に従わない場合に、国の権力によって強制的にその義務を実現させるための制度のことをいいます。
(ロ)
履行の勧告・命令制度
家事調停においては、調停で定められた義務を相手が守らない場合に、家庭裁判所が相手方に対して義務の履行を勧告する制度があります。
また、調停調書の内容が、金銭の支払いその他の財産上の給付を目的とする義務の履行である場合において、相手方がその義務を守らない場合に、家庭裁判所が相手方に対して、相当の期限を定めて、その義務の履行を命令する制度もあります。
履行の勧告・命令制度は、家庭裁判所に対して履行勧告の申立をすることにより利用することができます。
履行命令制度には、相手方が、家庭裁判所より履行命令を受けたのにもかかわらず、正当な理由なくその履行命令に従わなかった場合には、相手方は10万円以下の過料に処せられます。
(ハ)
不成立後の手続(婚姻費用の分担、遺産分割、財産分与等の乙類事件)
家事審判法は、婚姻費用の分担、遺産分割、財産分与等の乙類事件について、「調停が成立しない場合には、調停の申立の時に、審判の申立があったものとみなす。」と規定しています(家事審判法26条1項)。
したがって、乙類事件に関する家事調停が不成立に終わった場合には、自動的に事件に関する審判手続が開始されます。
事件の種類が乙類事件であるか明らかでない場合には、家庭裁判所の家事相談室又は弁護士等に相談して下さい。
(ニ)
不成立後の手続(夫婦間の離婚問題、婚姻外の男女間の問題等の一般調停事件)
夫婦間の離婚問題、婚姻外の男女間の問題等の一般調停事件に関する家事調停が、当事者間の話合いがまとまらず不成立となった場合には、原則として、家事調停手続は終了します。
例外的に、家庭裁判所が相当であると認める場合には、当事者の申立の趣旨に反しない限度で、事件に関して審判をする場合があります。この審判は、調停に代わる審判と呼ばれています。
調停が不成立となり、審判に移行しなかった場合で、紛争について解決を望む場合には、訴訟を提起する必要があります。
事件の種類が一般調停事件であるか明らかでない場合には、家庭裁判所の家事相談室又は弁護士等に相談して下さい。
6
家事調停に代わる審判とは
(1)

調停に代わる審判とは

家事審判法は、「家庭裁判所は、調停委員会の調停が成立しない場合において相当と認めるときは、当該調停委員会を組織する家事調停委員の意見を聴き、当事者双方のため衡平に考慮し、一切の事情を見て、職権で、当事者双方の申立ての趣旨に反しない限度で、事件の解決のため離婚、その他必要な審判をすることができる。」と規定しています(家事審判法24条1項)。
すなわち、調停に代わる審判とは、家庭裁判所が相当であると認めるときに、当事者の申立の趣旨に反しない限度で、事件に関して審判をする制度のことです。
(2)

対象事件

調停に代わる審判は、家事調停の対象事件が、婚姻費用の分担、遺産分割、財産分与等の乙類事件の場合には行われず、夫婦間の離婚問題、婚姻外の男女間の問題等の一般調停事件の場合に限り行われます。
(3)

異議の申立

調停に代わる審判に異議のある当事者は、2週間以内に家庭裁判所に対し異議を申し立てることにより、この審判は効力を失います。
(4)

効力

調停に代わる審判がなされ、当事者が2週間以内に異議を申立てなかった場合には、この審判は確定判決と同様の効力を有します。
したがって、当事者の一方が、調停に代わる審判の内容に従わない場合には、その内容を実現するため、強制執行を申し立てることができます。
強制執行とは、一定の義務を負っている者がその義務に従わない場合に、国の権力によって強制的にその義務を実現させるための制度のことをいいます。

目次