特定調停の一部の債権者に対する申立

調停ガイド

調停の疑問を解決するQ&Aをご紹介します。このページでは、特定調停に関する質問を集めました。ぜひ参考にしてください。

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特定調停

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特定調停の一部の債権者のみに対する申立

特定調停で多数の中の一人に申立をする場合

Q:
多数の者に対して借金をしているのですが、その内の一人の債権者のみに対して特定調停を申し立てることはできるのでしょうか?
A:
特定調停に関する法律において、特定債務者は債権者全員に対して特定調停の申立をしなければならないとの規定は存しません。
したがって、一部の債権者のみに対して特定調停を申し立てることはできます。
特に、他の債権者との間では、裁判外の交渉で紛争について話合いができているが、一部の債権者との間で話合いができ来ていない場合等では、一部の債権者のみに対して特定調停を申し立てることが適当です。

特定調停で一部の債権者に申立をする場合の他の債権者への影響

Q:
複数の債権者の内の一部の債権者に対してのみ特定調停の申立をすることは、特定調停の当事者とならない他の債権者の利益を害することにはならないのでしょうか?
A:
特定調停に参加している当事者のみが得をする内容の特定調停が成立することはありません。特定調停が成立したとしても、その成立の効力は特定調停の当事者に対してのみ及び、特定調停に関与していない債権者には及びません。
また、特定調停の成立内容は、「公正かつ妥当で経済的合理性を有する内容のものでなければならない。」と規定されています。
特定調停の当事者となっていない他の債権者でも、特定調停の結果について利害関係を有する者であれば、特定調停に参加することによって自己の利益を図ることができます。
進行中の特定調停の結果について利害関係を有する関係権利者であれば、調停委員会の許可無しに特定調停に参加することができます。
詳しくは「特定調停の調停成立の効果、罰則等」のページの「7 第三者の参加」を参照してください。
(4)

特定調停の申立後の経過等

(イ)

民事執行手続の停止

Q:
特定調停を申し立てたのですが、現在進行中の特定調停の債務に関する民事執行手続を停止させることはできるのでしょうか?
A:
特定調停に関する法律は、「裁判所は、事件を特定調停によって解決することが相当であると認める場合において、特定調停の成立を不能にし若しくは著しく困難にするおそれがあるとき、又は特定調停の円滑な進行を妨げるおそれがあるときは、申立により、特定調停が終了するまでの間、担保を立てさせて、又は立てさせないで、特定調停の目的となった権利に関する民事執行の手続の停止を命じることができる。」と規定しています。
したがって、特定調停の債務者は、民事執行手続停止の申立をすることにより、特定調停の対象となっている債務に関する民事執行手続の停止を求めることができます。
(ロ)

民事調停手続への移行

Q:
定調停手続の進行中なのですが、やはり通常の民事調停手続により、紛争を解決したいと考えています。特定調停手続を通常の民事調停手続に移行することは可能でしょうか?
A:
特定調停手続と通常の民事調停手続とは、その手続内容が大きく異なります。
そのため、一度、進行した特定調停手続を通常の民事調停手続に移行することはできません。
(ハ)

裁判所の関与

Q:
特定調停において、裁判所が積極的に、紛争の解決方法を示すことはないのでしょうか?
A:
特定調停において、裁判所は、紛争がまとまりそうもない場合で、調停に代わる決定をすることが相当であると判断した場合には、調停に代わる決定をすることがあります。
特定調停に関する法律は、「特定調停については、この法律に定めるもののほか、民事調停法の定めるところによる。」と規定しています。
そして、民事調停法は、「裁判所は、調停委員会の調停が成立する見込みがない場合において相当であると認めるときは、当該調停委員会を組織する民事調停委員の意見を聴き、当事者双方のために衡平に考慮し、一切の事情を見て、職権で、当事者双方の申立の趣旨に反しない限度で、事件の解決のために必要な決定をすることができる。この決定においては、金銭支払い、物の引渡しその他の財産上の給付を命ずることができる。」と規定しています(民事調停法17条)。
上記制度は、調停に代わる決定と呼ばれるものです。
調停に代わる決定に対する異議については、詳しくは「調停に代わる決定への不服申し立て方法」を参照してください。
(ニ)

調停に代わる決定への不服申し立て方法

Q:
特定調停事件において、裁判所が調停に代わる決定を出しましたが、その内容に納得できません。どうしたらよいのでしょうか?
A:
特定調停において、裁判所が調停に代わる決定をした場合でも、その告知の日より2週間以内に異議を申し立てることにより、その決定の効力を失わせることできます。
異議の申立は書面でも口頭でも可能ですが、口頭で異議の申立をする場合には、紛争の担当の裁判所書記官の面前で異議を申し立て、調書を作成してもらう必要があります。
詳しくは「裁判所の関与について」を参照してください。

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