土地、建物の明け渡しの概要

貸地・貸家明け渡しガイド

貸地・貸家の明け渡しにあたってはこれに関する法律をひととおり理解しておくことが非常にたいせつです。
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土地、建物の明け渡しの意義

都市及びその周辺部の古くからの貸地、貸家は、その不動産の価値に見合う有効な利用とは程遠いものとなっています。
さらに、都市及びその周辺部のこれらの古くからの貸地、貸家では、その収入に比べて固定資産税、都市計画税、相続税等の租税公課の負担が忍耐の限度を超えるものとなっています。
このような状況で、都市及びその周辺部における、これらの古くからの貸地、貸家所有者にとりましては、不動産の有効活用、その前提として貸地、貸家の明け渡しをしていく必要性に迫られております。
古くからの貸地、貸家を明け渡すことにより、これを有効活用して収益性を向上させることができます。また、これらの明け渡しとその跡地の有効活用、処分、買換えにより、 相続税を大巾に軽減することができます。さらに、貸地、貸家所有者にとり、これらを管理していく心労から解放されるという効果もあります。

土地、建物の明け渡しは法律問題

賃貸借契約に基づく貸地、貸家の明け渡しを中心に述べることとします。
貸地、貸家の明渡請求権は、貸地、貸家の賃貸借契約の終了によって生じる法的権利です。貸地、貸家の賃貸借契約の終了事由としては、 以下の四つの場合があります。

(1)

賃貸借契約の合意解約

合意解約とは、貸主と借主が話し合いにより、貸地、貸家の賃貸借契約を終了させることをいいます。
(2)

賃貸借契約の解除

解除とは、賃貸借契約の一方当事者が契約又は法律の規定によって、既に有効に成立した賃貸借契約の効力を消滅させ、その賃貸借契約がはじめから存在しなかったと同様の法律効果を生じさせることをいいます (民法540条1項)。 解除権には、 大別して二つの種類があり、契約によって生ずる解除権 (約定解除権) と法律の規定によって生ずる解除権 (法定解除権) があります。
法定解除権には、すべての契約関係に適用される債務不履行による解除権 (民法541条以下) と個々の規定で定められている個別的な解除権があります。
(3)

賃貸借契約の更新拒絶

更新拒絶とは、貸地、貸家の賃貸借契約で期間の定めがある場合に、期間が満了したときに貸主が借主に対し賃貸借契約の更新をしない旨の意思表示をすることによって、 契約を終了させるものです。
(4)

賃貸借契約の解約申入れ

解約申入れとは、貸地、貸家の賃貸借契約で期間の定めがない場合に、賃貸借契約の一方当事者が意思表示により賃貸借契約を終了させるものです。
前記のとおり、貸地、貸家の明渡請求権は、貸地、貸家の賃貸借契約の終了によって生じる法的な権利です。
賃貸借契約が終了するための要件は、法律に定められています。右法律上の要件を充足することによって、貸地、貸家の明渡請求権が発生します。
貸地、貸家の明け渡しを求めることは、この法的な明渡請求権を行使することにほかなりません。 したがって、貸地、貸家の明渡問題は、まさしく法律問題であるということができます。