競業行為につき取締役の責任を認めた判例としては、以下のものがあります。
代表取締役が、自社と競業関係にある株式会社のほとんど全株式を自ら買収し、事実上の主宰者としてその経営を行い、また別に自らがほとんど全額を出資して競争株式会社を設立し、その代表取締役として経営を行い、元の株式会社の市場及び事業機会を奪ったというケース。
東京地判昭63・3・30判時1272号23頁、控訴審東京高判平1・10・26金融商事判例835号23頁
代表取締役が株式会社の経営を専行する一方、別株式会社を設立し、自己に忠実な従業員を別株式会社の役員に据えたり、出向させたりし、また、自社の機械設備を譲渡するなどして、その別株式会社を自社と競合する有力な株式会社に成長させたというケース。
夫婦で株式会社の共同代表取締役としてその経営に当たっていたが、その後夫婦関係が悪化し、夫は妻の下を去り、同業種の株式会社を設立し、その代表取締役として活動したというケース。