株式会社は、会社法461条所定の分配可能額の範囲内でなければ剰余金の配当及び 自己株式の取得(以下剰余金の分配といいます)をすることができないのが原則です。そして、分配可能額を超えて剰余金の分配を受けた株主は、株式会社に対してこれを返還しなければなりません(不当利得返還義務。民法704条、同法703条)。
しかし、多数の株主に対し返還請求の訴えを提起することは、訴訟技術的にも費用の面からも困難です。そのため、結局株式会社が違法な剰余金分配額に相当する損失を被ることになってしまいます。
そこで、次に述べるとおり、取締役は、違法な剰余金分配が行われた場合に、株式会社に対して一定の支払義務を負うこととされています。