駅前の一等地の青空駐車場、 高級住宅街の未利用邸宅、 製薬会社の不要となった研究施設や従業員寮など、 様々な遊休不動産が存在しています。
仮りにこのような不動産から少しでも収益を得ようとして、 ひとたびこれを賃貸に供すると、 契約期間満了時に、 法的に明渡を求めるのが困難であるのが実情です。 このような理由から、 土地建物が遊休状態となっているケースが数多く見受けられます。
定期借家制度により、 このような遊休土地に賃貸用建物を建築したり、 遊休建物をリフォームして、 定期借家で賃貸して収益を上げることが現実に可能となります。
このように、 建物が一定の収益を生み出せば、 その建物及び敷地を売却することも可能になってきます。 買主にとっても、 将来の一定の時期に明渡が確実に受けられ、 かつ賃貸期間中は収益が得られるということから、 このような建物やその敷地が現実に投資の対象となってくるわけです。
賃貸マンションや賃貸ビルが老朽化し空室率が高くなっている場合に、 空室解消策として、 既存の借家人から収受している家賃よりも低い家賃で空室を賃貸し、 定期借家期間満了時に需要を見ながら適正な家賃に改訂するという方法が考えられます。
賃貸マンションやテナントビルは、 供給が多くなればなるほど競争力を高めていく必要があることは論を待たないところです。 そして、 競争力を高めるためには、 きめ細かな修繕計画をたて、 これを実行することはもちろん、 その時代の感性に合ったリフォームを機動的に行っていく必要があります。
旧来の借家(普通借家)においては、 修繕のために当該貸室を一時的に退去してもらおうとしても、 借家人の同意がない限り、 容易に退去させることができず、 計画的に修繕を実行することが困難となっているケースが殆どです。
計画的に修繕やリフォームを実行するためには、 一定期間ごとに必ず明渡しを受る必要があります。 契約期間満了時に、 確定的に明渡しを受けられる定期借家は、 この要請を満足するシステムであると言えます。
例えば、 集合型賃貸アパートが老朽化し、 半数以上の貸室が空家となっている場合、 家主としては、 残った借家人全員に明渡してもらい、 新しい賃貸用建物を建てたいという場合があります。
この場合、 家主としては入居中の借家人全員と明渡交渉を行い、 場合によっては正当事由にもとづく明渡請求訴訟を行っていくことになります。
ところが、 全借家人の明渡しを実現するまでに2~3年を要する場合があり、 その場合、 2~3年間建物の大部分が収益を生まないという状態が続くことになります。 そこで、 明渡交渉ないし訴訟が解決するまでの間、 空室を順次定期借家として入居者を入れ、 少なからず収益を上げるということが可能になりました。