借りる立場からの定期借家の活用方法

定期借家実務マニュアル

第4

定期借家の活用方法

集合写真

借りる立場からの定期借家の活用方法

(1)

ライフスタイルに合わせた主体的な選択

定期借家制度は、 家主と借家人が対等な立場で合意により契約期間を設定し、 その合意を尊重して、 契約期間満了による賃貸借契約の終了を保証したものです。 これを借家人の立場から見ると、 借家人は契約期間満了までに、 自己の責任で住み替えの目途をたてておかなければならず、 不断に自己のライフプランを設計していくという主体的な態度が要求されます。 とは言っても、 定期借家制度が普及しますと、 様々なスタイルの借家が市場に供給されます。 したがって、 借家人にとっては選択の幅が広くなり、 多種多様なメニューから自分のライフスタイルに合った借家を選択することが可能になりました。
(2)

適正な家賃と各種負担の軽減

定期借家が普及しますと、 借家の供給が増えることから、 家主としては家賃や敷金を合理的な水準にしておかなければ、 入居者が入らないということになりかねません。 従って、 家賃や敷金は、 総じて抑制的になることが予想されます。
また、 これまで権利金や礼金あるいは更新料の授受が慣行となっていた地方でも、 これら権利金、 礼金、 更新料の授受の慣行は、 次第に姿を消していくものと予想されます。
(3)

高齢者や身障者のための定期借家

旧来の普通借家制度においては、 高齢者や身障者の居住する借家は、 家主からの解約申入れに必要な正当事由が具備されにくく、 明渡請求は一般に困難とされてきました。
そのため、 高齢者や身障者向けの借家は極度に不足していたのが実情です。 しかし、 定期借家制度は、 契約期間満了時の賃貸借の終了が保証されますので、 家主は安心して高齢者や身障者に家屋を賃貸することができます。
高齢者や身障者にとっても、 比較的長期の期間の定期借家を選択すれば、 安心して暮らすことができます。
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