不動産投資の流れ

不動産投資・運用マニュアル

第1

不動産の投資

集合写真
不動産投資ファンドやリート等、不動産のプロの参入によって、不動産売買が盛んになり、東京都心や主要地方都市中心部における不動産市場が活況を呈しております。一般の方の不動産投資に対する興味も高まっています。
一般の方にとって、収益不動産投資は、成功すれば安定した高利回りを実現でき、高い収益性が得られるとともに、相続税等の軽減効果が同時に得られることが多いので、非常に魅力のある投資と考えられます。しかし、もしも失敗をすれば多額の投資をしているため、やり直しのできない大変に深刻な結果を招く可能性があります。
従いまして、不動産投資を行う際は、様々なポイントをチェックしながら、慎重に進めていくことが必要です。

不動産投資の流れ

(1)

投資目的と投資目的に適した不動産の選定方針の決定

後述のとおり、不動産投資を行なう場合は、不動産投資の目的を明確にし、その投資目的に適した不動産を取得することが重要ですので、最初に不動産の選定方針を明確にします。
(2)

情報収集

投資目的に適合した不動産について、具体的な売り情報を収集します。
これまでは、出来るだけ多くの情報を入手して、その中から取捨選択を行なうのが一般的でしたが、昨今の不動産事情を考慮した場合、闇雲に情報収集を行なっても良い物件の情報が入手できるとは限りません。いわゆる出回り物件の情報を数多く集めても、その中に良い物件の情報が含まれている可能性は極めて低いのです。
収益不動産に関する一般投資家の関心が高くなったため、新聞の全面広告等でも一棟売り収益不動産の広告が掲載されており、利回り10%以上等の魅力的な物件も見られます。しかし、これらの広告に掲載されている不動産の多くは、ファンド等を対象とした不動産市場に出てから時間が経過しているのにもかかわらず、買い手がつかなかった物件である可能性が高いことに注意をする必要があります。リスクが潜んでいる不動産である可能性が高いと考えられます。
また、資産家の方の場合、不動産会社等から直接に物件の紹介を受ける機会が多いと考えられますが、この場合も注意が必要です。不動産情報は、多数の投資実績があるところに良質の情報が逸早く集まるようになっていますので、投資実績の少ない、もしくは無い資産家の方に良質の情報が優先的に届く可能性は極めて低いと考えられます。昨今の不動産の市場情勢においては、良い不動産は瞬く間に買い手がつきますので、不動産会社が資産家の方に勧める物件には何らかの事情があると考えねばなりません。
このように、一般投資家の方がご自身で収集できる情報の中から不動産を選定するのは大変危険です。情報網を有する専門家に、選定基準を示して情報収集を依頼することが得策と考えられます。
(3)

選定

投資目的に適合した不動産を選定するためには、選定対象となる不動産について、様々な情報を入手して、分析する必要があります(初期的投資検討)。
後述のとおり、収益不動産によって、その用途、所有形態は多様です。そして、その用途、所有形態によって選定時に留意すべき事項や選定の際に入手すべき情報は異なってきます。
(4)

物件精査

初期的投資検討によって、投資対象とすべき不動産が内定した後、その不動産について、詳細な調査(デューデリジェンスといいます)を行います。
後述のとおり、収益不動産の投資において成功するために最も重要な事項が、デューデリジェンスです。
投資対象不動産について、契約前にデューデリジェンスを行い、その結果によって、投資価格の引き下げ交渉や投資見送り等、重大な投資判断を行わなければなりません。
(5)

売買契約書の作成と締結

デューデリジェンスの結果、最終的に投資を決定した段階で、売買契約書の作成を行います。
後述のとおり、不動産売買契約書には、売買価額や支払条件以外に、契約の履行や危険負担について重要な事項が多く含まれますので、契約書の条項から、買主のリスクを排除し、または問題のないレベルまで買主のリスクを軽減するためには、弁護士等の専門家の協力が必要です。
(6)

決済準備と決済引渡し

不動産売買においては通常、売買契約締結後、契約の履行の準備に必要な期間を措いて契約の履行が行われます。契約の履行時に、決済金の支払、所有権の移転、所有権移転登記が行われます。
この期間に抵当権の抹消同意交渉や決済資金の調達、土地境界の確定作業、明渡し交渉、テナント契約の更新条件の詰め等、契約書に記載された決済条件を成就するための、売主、買主の義務の履行作業が行なわれます。これらの作業が滞ったことにより、決済の不調、すなわち不動産売買が成立しなくなることも少なくありません。
売買契約書は決済が行なわれることを前提として締結されていますので、万一、決済が行われなかった場合、非常に難しい事後処理が必要になることもあります。
そのようなことにならないためには、強力な調整交渉能力を持つ専門家の存在が不可欠となります。
また、投資資金を銀行融資により調達する場合は、銀行の担保評価、金利等の融資条件の交渉等にかなりの時間を要し、決済の数日前までに金利固定をして融資実行手続を完了させなければなりませんので、早い段階から銀行との協議を開始する必要があります。
所有権移転に必要な書類が売主側で準備できた時点で、買主側の司法書士が書類の確認を行います。
決済当日は、売買代金の授受と引渡書類の授受が行なわれ、所有権移転に必要な書類をもって司法書士が所有権移転の登記手続きを行ないます。