建物調査の結果、及び入居者のニーズを踏まえて、修繕・リニューアル計画を策定します。
修繕は、建築材料や設備機器の延命を図ることをいいます。建築材料であれば、外壁の上塗りや床材の張り替えが該当し、設備機器であれば、故障した部品の取り替え等が該当します。ある程度の機能回復は期待できますが、新築時の機能までの完全回復は期待できません。
リニューアルには、更新と改修が含まれます。
更新は、機能を新築時の水準まで完全に回復させることをいいます。建築材料であれば、外壁の仕上材料を撤去し、躯体を補修・補強した上で再塗装をしたり、床材を撤去し、躯体の不陸を補修し、仕上材を貼り直すこと等が該当し、設備機器であれば、全体を新品に取り替えること等が該当します。
改修は、時代の変化に合わせ、現代の水準にまで機能を向上させることをいいます。
建築材料であれば、外装材のグレードアップ、イメージを向上させるインテリアデザインの変更、耐震改修等が該当し、設備機器であれば、省エネ、情報化対応の機器の導入等が該当します。
修繕を行なうか、更新を行うか、あるいは、改修を行うかの判断は、原状、これまでの修繕履歴、耐用年数(法定耐用年数ではなく、日本建築学会や各設備機器メーカーが実績や試験結果にもとづいて算出している平均耐用年数)、修繕、更新、改修それぞれの場合の必要コスト等を踏まえて、総合的に判断します。
改修を行なう場合は、コンサルタント、デザイン事務所、エンジニアリング事務所等から改修計画についての提案を受けるようにします。なお、一社指名工事とならないよう、この時点では、特定の建設会社から提案を受けることは避けるようにします。
修繕・リニューアル計画は、上記の修繕、更新、改修毎に、かつ、建物部位、建物材料、設備機器等毎に、かつ、予定年度毎に作成します。
一度に全部の工事を行なうと、一時に多額の出費となりますので、単年度の収支が極端に悪化してしまいます。逆に、長期にかけて行なうと、仮設工事費(足場や養生等に要する費用)や工事管理費(請負会社の経費)が割高となります。関連工事や同一の仮設工事を伴う工事などをまとめて実施する計画として、3~5年程度で全ての工事を完了させる計画とするのが一般的です。
作成した修繕・リニューアル計画に基づいて、数社から見積を徴収し、見積参加会社の意見を入れながら、実施計画、予算計画を確定します。
見積金額が当初予想と大きく食い違った場合は、実施予定年度を変更する等の調整を行います。
修繕・リニューアル計画の例(3ヵ年計画の場合)