株式交換無効の訴え

株式交換・移転、会社分割マニュアル

第1章

株式交換・移転

集合写真
第2

株式交換の実務

株式交換無効の訴え

株式交換につき,その手続もしくは内容に瑕疵がある場合,一旦実行された株式交換を無効とすると,利害関係人に重大な影響が生じます。そこで,株式交換の無効の主張については,法的安定性の見地から,「株式交換無効の訴え」の制度が設けられ,主張方法,提訴期間,提訴権者等に以下のとおり一定の制限が加えられています。
(1)
手続
株式交換無効の訴えは,効力発生日から6か月内に提起しなければなりません (会社法828条1項11号)。ただし,株主総会決議の取消事由に基づくときは,決議後3か月以内に限定されています(会社法831条1項参照)。
株式交換無効の訴えは,株式交換の効力が生じた日において株式交換契約をした会社の株主等若しくは社員等であった者又は株式交換契約をした会社の株主等,社員等,破産管財人若しくは株式交換について承認をしなかった債権者に限り提訴することができます (会社法828条2項11号)。
また,専属管轄,担保提供命令,弁論等の併合,原告が敗訴した場合に悪意又は重過失があったときの賠償責任について特別の規定がおかれています(会社法835条乃至837条,同法846条)。
(2)
判決の効力
株式交換を無効とする判決は第三者にもその効力が及び(会社法838条),また,将来に向かってのみその効力を生じることとされています(会社法839条)。
その結果,株式交換を無効とする判決が確定した場合には,完全親会社は株式交換で取得した株式を元の株主に返還しなければなりません(会社法844条)。

目次

通話無料
平日 9:00~19:00
メールフォーム
でのお問合せ