法定後見制度の知識1|法定後見制度の概要、補助

成年後見ガイド

第2

法定後見制度

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これまでの法定後見制度

判断能力の不足する人を保護するための制度は、従来は法定後見制度だけしかありませんでした。その内容としては、禁治産制度、準禁治産制度の2つの制度でした。
しかし、禁治産制度、準禁治産制度は問題の多い制度でありあまり利用されていませんでした。具体的な問題点としては、「治産」を「禁」止するという、言葉のイメージが悪く、本人が利用したがらなかったり、他の人の偏見を受けやすいこと、戸籍に登記されるのでやはり本人に抵抗があったこと、手続きが面倒であったり、本人の精神状態を調べる鑑定の費用が高かったこと、古い時代に作られた制度なので、能力に欠ける人を保護するという側面が強く、本人の個人の意思をなるべく尊重するという意識があまりなかったこと、などがあるでしょう。
近年の法改正で、制度の呼称が変わったことをはじめ、多くの点で修正が加えられ、禁治産制度は後見制度に、準禁治産制度は保佐制度に改められました。特に近年の人権意識の高まりに応えて、家庭裁判所が自らの判断で職権により決めるのではなく、本人や、その配偶者、親族といった当事者の意思が多く反映されるような制度になっています。
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新しい法定後見制度(補助、保佐、後見の制度)

新しい法定後見制度には、保護の程度の軽い順から、補助、保佐、後見があります。前述のように、補助は改正により新たに設けられることとなった制度であり、保佐は準禁治産制度を、後見は禁治産制度を、それぞれ改めた制度です。
(1)

補助

(イ)
補助制度の必要性
かつての禁治産制度や準禁治産制度の対象とはならない程度の軽度の判断能力低下がみられる高齢者は少なくありません。つまり、判断能力が不足するものの、基本的には物事の意味を理解し、契約の結果が分かるという、判断能力不足の程度が軽度である状態のことです。このような高齢者などに対する保護を創設する社会的な要請もあります。
というのは、近年、高齢化社会の進展に伴って、多くの高齢者が社会で生活するようになってきております。さらに、高齢者の人数が増えたのに伴い、介護保険が導入され、介護サービスの民間業者も増えており、高齢者が高額の介助サービスを受けるための契約を結ぶ場面も増加しています。
ではこのような高齢者などについて、保護者を付ける必要があるとしても、その一方で本人の意思をできる限り尊重する必要性もあります。
障害者であっても、ノーマライゼーションの理念(健常者とできるだけ同じような扱いをするという考え方)の下、単に強い保護(保護者の強い関与)の対象とするのではなく、持てる能力の範囲で社会に参加することが望ましいことです。
そこで、新たに前述のような判断能力不足の程度が軽度である人たちを対象として、後見や保佐(従来の禁治産・準禁治産)より保護の程度を低くする一方で本人の自由は比較的多く認められる制度が新設されました。これが「補助」制度です。
(ロ)
補助の対象となる人
精神障害により判断能力が不十分な人です(民法15条1項、以下、条文のみをあげたときは、それは民法の条文ということにします)。法律上は「精神上の障害により」と書かれていますが、これは身体の障害を除いた広い意味であると理解されています。例えば認知症も「精神上の障害」の1つと言えましょう。
また、より判断能力の不足の程度が大きく、保佐や後見の対象となる人は、補助の対象となりません(15条2項)。補助と同時に、重複して保佐、後見が始まることはないということです。補助、保佐、後見が重複しないということは、新たに補助、保佐、後見が始まる場面以外に、いずれかによる保護が一度始まった後に、判断能力の不足の度合いが重くなり、または軽くなり、他の制度に変わる場合も同じです。他の制度に変わったときは、それまでの保護は家庭裁判所が取り消さなければならないことになっています。
(ハ)
補助開始のための手続き
(a)
補助は、申立て権者の申立てがあると、家庭裁判所が、補助の必要があると判断した上で補助開始の審判をして始まります(15条1項)。申立てが必要なので、言い換えると家庭裁判所が、ある人に補助が必要だからといって、本人や関係者が何も言っていないのに補助人が付けられることはないということです。このように申し立てを必要とすることで、本人やその周りの人たちの意思が大切にされています。
(b)
補助開始の申立て権者
申立て権者は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、検察官、と民法で決められています(15条1項)。
1)
本人
本人は、自らの意思で自分の補助を申し立てることができます。補助を受けたくないというだけでなく、補助を受けたいという面でも本人の意思は尊重されています。
2)
配偶者、四親等内の親族
配偶者、四親等内の親族といった身近にいる人々も、補助を申し立てることができます。「親等」というのは、親族関係の中で、ある人とどれくらい近いか遠いかを表す尺度です。直接に血のつながりのある直系血族は、1世代を1と数えます。自分から見て両親、子は一親等、祖父母、孫は二親等です。血のつながりが枝分かれしている傍系血族は、枝分かれするところまで遡って数えてから、また下って数えます。自分の兄弟姉妹は二親等、甥や姪は三親等ということになります。
「親族」というのは、このような自分の血族に加えて、三親等内の姻族も含む言葉です。「姻族」というのは、配偶者の血族のことです。
3)
後見人、保佐人など
後見や保佐を受けていた人の状態が回復して、補助の保護の程度で足りるようになったときは、後見人や保佐人が補助を申し立てることもできます。
4)
未成年後見人など
未成年後見を受けている人がさらに補助を受けることもできるので、こうしたときには未成年後見人も補助を申し立てることができます。
5)
検察官
本来は本人や身近にいる人たちからの申立てがあるのが望ましいのですが、補助が必要と思われるのに関係者から申立てがされないときには、公益的な見地から検察官も申立てができることになっています。ただ、実際には検察官が申し立てることはほとんどないようです。
6)
市町村長
身寄りのない高齢者の場合など、適切に申立てをする人が周りにいないケースも考えられます。こうした場合には、民生委員や福祉サービス関係者からの情報により補助制度を利用できると便利です。そこでこのような高齢者の状況を把握することのできる行政機関(市町村長)が補助を申し立てることもできることになっています。市町村長については、民法ではなく老人福祉法などの他の法律で決められています。
(c)
本人の同意(本人以外の人の申立ての場合)
本人が補助を受けたくないと思っているとしたら、客観的に見て補助が必要であるからといって、その意に反して補助を始めては本人の自由意思に反します。そこで、本人以外の人が申立てる場合は、本人の同意がなければならないことになっています(15条2項)。本人が申し立てる場合には、本人の意思に反することはないので同意はいりません。
このように本人の同意が必要とされているのは補助だけであって、保佐や後見の開始にはこうした条件はありません。補助を受ける人はまだある程度は判断能力を残している人なので、本人の意思を大切にする要請が特に大きいからです。
(d)
補助開始の審判をするときは、後述の代理権を与える審判か、同意権を与える審判のどちらかを同時にしなくてはならないことになっています(15条3項)。補助人に代理権も同意権も与えられないとすると、補助人は本人保護のための手段を全く持たないことになってしまうので、補助開始の審判だけをしても意味がないからです。
(e)
申立先、費用、登記制度
申立先は、本人の住所地を管轄する家庭裁判所となります。
申立てにかかる費用は、申立収入印紙代800円、登記印紙代4000円、郵券4300円(東京家庭裁判所の場合は4300円ですが、申立てをする家庭裁判所により異なりますので、事前に金額をご確認ください。また、郵券の内訳も決まっておりますので、その点についてもご確認ください。なお、東京家庭裁判所では、500円5枚、80円20枚、10円20枚となっております。)、及び後述する鑑定費用がかかる場合があります。なお、補助開始の申立と同時に別途代理権付与の申立を行う場合、別途収入印紙800円が必要となります。
補助開始の審判が確定すると、家庭裁判所の書記官の嘱託により、東京法務局後見登録課が、補助が開始されたことを明らかにするための登記を行います。従前は、後見制度に関する審判が確定するとその旨が戸籍に記載されて公示されていましたが、平成12年4月1日以降、本人のプライバシー保護の観点から新しい公示制度として成年後見登記制度が設けられたため、戸籍に補助開始の審判がなされた旨の記載がなされることはなくなりました。また、本人のプライバシー保護の観点から、補助登記事項証明書の交付申請者は、本人・本人の配偶者・4親等内の親族、成年後見人等に限られておりますので、誰でも補助登記事項証明書の交付を請求できるわけではありません。
なお、成年後見登記に係る証明書(登記されていないことの証明書、登記事項証明書)の発行業務は、従来,東京法務局後見登録課のみで行っておりましたが、平成17年1月31日から全国の法務局、地方法務局の本局戸籍課窓口でも発行業務が開始されておりますので、全国の法務局、地方法務局においても登記事項証明書の交付を請求することができます。もっとも、郵送による証明書のご請求や、成年後見登記に関する業務(変更、終了等)は、従来どおり、東京法務局のみで取り扱っております。
(f)
鑑定、鑑定費用
後見等の開始の審判は、本人が精神上の障害によって判断能力が不十分であるか否かを基準にして、本人を保護することの必要性や保護の範囲を決めることになりますので、本人の判断能力がどの程度あるのかが重要になってきます。
そこで、後見・保佐の申立ての場合には、原則として裁判所において判断能力の鑑定をすることになっております(家事審判規則24条、30条の2)。もっとも、補助の場合には、医師の診断書があれば足り、原則として鑑定は不要とされていますが、判断能力の判定が困難な場合には、鑑定が行われます。
鑑定費用は、一般的には5万円~10万円程度になります。また、鑑定費用は現金で裁判所に予納することになりますが、予納時期については裁判所によって異なりますので、事前に裁判所にご確認ください。なお、鑑定費用は、原則として申立人の負担となりますが、あらかじめ申立て手続費用については本人の負担とすることを希望する旨明らかにしておけば、後見人等が選任された時点で、申立手続き費用として、後見人等を通じ、本人の資産から費用の返還を求めることもできます。
(ニ)
補助人の持つ権限
(a)
総論
このことは成年後見制度の全体に言えることですが、保護のために付けられる人の権限が強くなるということは、その反面では本人の自由な行動が制約されるということです。例えば、本人が土地を売る契約をしたとして、後で保護のために付けられた人がこれを取り消したとすると、一般の人が取り消されないことに比べて本人のできることが制限されたということになります。もう少し具体例を挙げます。不動産取引業者は(一般の方も含めて)、相手が未成年であれば不動産取引をしようと思いません(相手が親権者であれば別ですが)。つまり、未成年者その他判断能力の不十分な人を保護するために契約締結後取消ができるということは、副作用として、周囲はそのような人と契約しにくくなる結果を生ずるのです。
補助は、保佐、後見を含めた法定後見制度の中で、本人の状態が最も軽い人が対象であって、本人が自由に行動することも大切にしなければなりません。そこで、保佐、後見に比べて補助人に与えられる権限は小さなものになっています。また、本人や関係者の意思を尊重するために、補助人にどのような権利をどの範囲の行為について与えるかを選べる幅が最も広くなっています。ちなみに、保佐でも保佐人に与える権限をある程度は選ぶことができます。後見では、後見人の権限は法律で決められていて、本人や関係者が選ぶことはできません。
本人を保護する方法としては、本人がしようとしている契約を、保護する人が事前に知って、それがいいと思えば許して(同意して)本人は契約できるが、それが良くないと思って許されなければ(同意がないときは)本人は契約できないとすることで、判断能力ある他人が本人をコントロールするという方法があります。このような、本人の行為について同意する権利を「同意権」と言います。
そして同意がないのに本人が契約を結んでしまったときに、すでになされた契約について保護に当たる人が何もできないとすると、同意権の実効性がなくなってしまいます。そこで、同意権が与えられた人には、これとセットで、同意がなくてされた契約を取り消す権利が与えられることになっています。これを「取消権」と言います。このように、取消権は同意権と必ずセットとなっているので、取消権の対象の範囲は、同意権の対象の範囲と必ず同じです。
また、消極的に本人がした不適切な契約を取り消すだけでなく、たとえば高齢者の保護に当たる人が、老人ホームの入居の契約や介護の契約を結ぶなど、本人の生活のために判断能力ある人が代理人として直接交渉にあたり、判断をして、積極的に契約関係をつくっていくことも必要でしょう。このような、本人を代理する権利のことを「代理権」と言います。
補助人は、同意権か代理権のどちらか一方、または両方を持つことになっています。この同意権、代理権の両方とも、申立てによって家庭裁判所が与えることになっています(17条1項、876条の9第1項)。申立てによるということになっているので、法律によって補助が始まるのと同時に自動的にこれらの権限が与えられるのでもなければ、裁判所の判断により職権で与えるのでもありません。そこで、同意権、代理権もともに、申立てに基づき与えられることもあれば、申立てがなく与えられないこともあります。ただ前述のように、両方とも与えられないとすると補助人の権限がまったくなくなってしまい補助開始だけを決めても意味がないので、少なくともどちらか一方の権限は与えられなくてはなりません。
また、同意権、代理権を与える範囲も選ぶことができます。たとえば、「不動産を売ることについてだけ、補助人の同意を必要とする」ということもできますし、もっと限定して、「具体的な、どこそこの土地を売ることについてだけ、補助人に代理権を与える」ということもできます。このように保護の方法、範囲を当事者の意思によって決めることができ自由度が高いことは、個々のケースにおける本人の状況に応じて柔軟に実効性のある保護を可能にすることにつながります。
(b)
補助人の同意権
1)
行為能力の制限
補助人に同意権が与えられたときは、その対象とされた行為について、本人は補助人の同意がなければ完全に有効にはできなくなります(17条4項)。法的には「行為能力(単独で有効な行為をする能力)」が制限された、とも言います。
補助人の同意がなくて行われた行為は、「取り消しうる」ものとなります。この「取り消しうる」というのは、取り消されるまでは有効なのですが、取り消されると、始めの行為のときから(始めの行為のときに遡って)無効となるという概念です。取り消し(または後述の追認)があるまでは、関係者はその行為が有効なものとして扱わなければなりません。これは始めの行為のときから完全に何の法的効力も認められない「無効」という概念と少し異なるものです。また、もし後で追認がされると、始めの行為のときから(始めの行為のときに遡って)有効となる点でも、「無効」とは違うものです。
2)
取消権
前述の通り、同意権を与えられた補助人は、同意がなくてされた行為を取り消す取消権を持っています(120条1項)。同意権についての申立てがなく、補助人に代理権だけが与えられ、同意権は与えられないこともありますが、この場合は取消権もありません。
また、本人も、同意がなくてされた行為の取消権者とされているので、自分がした契約を、後で冷静になって考えた上で取り消すということもできます。
取消権は5年で消滅します(126条)。一般に、貸金債権などの請求権が消滅する消滅時効の期間は10年ですが(167条1項)、取消権があると、取引の相手方は、それまでは有効な行為が取り消されると遡って無効にされてしまうという不安定な立場に置かれてしまうので、短めの期間が決められています。
3)
同意権を与えるための手続き
補助を開始するときも審判がありましたが、同意権を与えるときにもさらにそのための審判が必要です(17条1項)。この審判で、同意権を与えるかどうか、与えるとしてどの範囲にするかを家庭裁判所が審理して決めることになります。また補助を開始するときの審判でも、本人の同意が必要でしたが、同じように、補助人に同意権が与えられることで自分の行動を制約されたくないという本人の意思を尊重するために、本人の同意が必要になっています(17条2項)。本人からの申立てによる場合は同意はいりません。
4)
補助人の同意に代わる家庭裁判所の許可
補助人の同意がいる行為について、補助人が本人の利益を害するおそれがないのに同意をしないときは、本人の請求があれば、家庭裁判所は同意に代わる許可をすることができます(17条3項)。補助人に同意権が与えられると本人の自由が制約される以上、補助人がその同意権を適切に行使しなければ、本人にとって不当な制約になるので、家庭裁判所が同意の代わりの許可をすることができることがあります。
5)
同意権の対象となる行為
前述のように、保護する人の権限が大きくなるほど、一面においては本人の自由が制約されてしまいます。そこで、補助は、保佐、後見の中では最も判断能力が残っている人を対象にしているので、保佐、後見以上の権限を補助人に与えるべきではありません。
ここで、保佐の場合に保佐人に与える同意権の対象になる行為は法律で決められているのですが(13条1項)、保佐以上の制約をすべきではないという考え方から、補助人に与える同意権の対象は、この行為の中の一部にとどめなければならないとされています(17条1項但書)。この保佐人の同意権の対象としては、法律に具体的な例があがっていて、たとえば借金をすること、保証人になること、不動産の売買、訴訟行為といった、特に重要な行為があげられています(後述)。
(c)
補助人の代理権
1)
代理権というのは、代理人として有効に代理行為をすることができる権利のことです。代理人が取引の相手と契約を結ぶと、本人が契約した場合と同じ状態になります。法的には、代理人が結んだ契約の効果が本人に帰属すると言います。
代理権を与えるときも、同意権を与えるときと同じように、申立てによって代理権を与えるための審判をします(876条の9)。
補助人に代理権が与えられたとしても、補助人に新たに代理をする権利が与えられたというだけなので、その行為について本人の行為は制約されず、単独で有効に契約をすることができます。行為能力は制限されません。この点は、取り消しうるものとなってしまう同意権の場合と異なる点です。
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代理権の対象になる行為
代理権の対象となる行為は、同意権の場合のような制約はありません。代理権の場合は前述のように、与えられたとしても本人の行動は制約されないので、問題がないからです。
ただし、結婚、離婚、遺言といった身分行為と呼ばれるものについては、代理して行うことはできません。このような行為を法的には「一身専属行為」と言います。物の売買といった財産行為と違って、特に本人の意思を尊重しなくてはならないからです。
また、本人の意思を尊重するために、代理権を与える審判のときにも、本人以外の人の申立てによるときは本人の同意が必要とされています(876条の9第2項、876条の4第2項)
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取消しの審判
補助に関しては、補助開始の審判、同意権を与える審判、代理権を与える審判の3つの審判がありましたが、判断能力が回復して補助が必要なくなったり、同意権、代理権を与える必要がなくなったりしたときは、申立てによって家庭裁判所はこれらの取り消しの審判をします(18条1項、2項、876の条9第2項、876条の4第3項)。やはり申立てによるものなので、家庭裁判所の判断で職権によって補助の保護が取り消されることはありません。申立て権者は、補助開始のときの申立て権者に加えて、補助人、補助監督人も含まれます。
同意権、代理権の審判の場合は、取消しの審判の他に、その対象の範囲を増やしたり減らしたりと変更する審判もあります(18条2項、876条の9第2項、876条の4第3項)。
取り消しの審判の結果、補助人に同意権、代理権がまったくなくなるときは、保護の手段である同意権、代理権がないのに補助開始の審判だけ残しておいても意味がないので、同時にこれも取り消します(18条3項)。
(ヘ)
補助の終了
補助開始の審判が取り消されるか、本人が死亡すれば、補助は終了します。
また、補助人が辞任をしたり、解任されたり、死亡したときは、その補助人による補助は終了します。もっとも、補助開始の審判自体はなくなったわけではないので、新しい補助人が選任されることになります。

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