任意後見制度4|任意後見監督人の選任

成年後見ガイド

第3

任意後見制度

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任意後見監督人の制度

前述のように、任意後見制度においては任意後見監督人が任意後見人を監督する主な機関であり、家庭裁判所は任意後見監督人を介して間接的に任意後見人を監督するものとされています。そこで、任意後見監督人は必ず付けなければならない必要的な機関とされています。
(1)

任意後見監督人の選任

精神上の障害によって本人の判断能力が不十分になると、任意後見監督人が選任されて任意後見が始まります(任意後見法4条1項)。
精神上の障害については前述しましたが、法定後見の場合と同じ意味であり、身体上の障害以外のものを広く含みます。
本人の判断能力の低下については、法定後見の補助の程度(判断能力が不十分と言える程度)になれば足ります。これ以上に判断能力が低下しても、法定後見制度の場合のような程度に応じた保佐、後見といった細かい類型はないので、任意後見が始まるという点では変わりはありません。
任意後見監督人の選任の手続きは以下のとおりとなります。
(イ)
任意後見監督人の選任の申立て権者
任意後見監督人の選任の申立て権者は、本人、配偶者、四親等内の親族、任意後見受任者です(任意後見法4条1項)。任意後見は任意後見監督人が選任されたときに始まりますので、その前までは、本人と任意後見契約を結んだ人は任意後見人の候補者に過ぎません。この任意後見人の候補者のことを、「任意後見受任者」と呼んでいます。当然、任意後見が始まれば任意後見受任者は任意後見人となります。 任意後見受任者の申立ては、あくまで権利であって、義務とはされていません。しかし、身寄りがない人について判断能力の低下が生じたときは、本人や身近な人からの申立ては期待できないこともあるでしょうから、自らの意思で任意後見契約を結んだ任意後見受任者が積極的に申立てをして任意後見を開始させることが望ましいでしょう。
(ロ)
本人の同意(本人以外の人による申立ての場合)
本人の意思を尊重するため、同意をすることができる程度に本人の判断能力が残っている場合は、本人の同意がなければなりません(任意後見法4条3項)。この点は補助の場合に本人の同意が必要であることと同じです。
(ハ)
申立先、費用、登記制度
申立先は、本人の住所地を管轄する家庭裁判所となります(任意後見契約に関する法律第12条、家事審判規則22条)。
申立てにかかる費用は、申立収入印紙代800円、登記印紙代2000円、郵券2980円(東京家庭裁判所の場合は2980円ですが、申立てをする家庭裁判所により異なりますので、事前に金額をご確認ください。また、郵券の内訳も決まっておりますので、その点についてもご確認ください。なお、東京家庭裁判所では、500円4枚、80円10枚、20円4枚、10円10枚となっております。)となっております。
任意後見契約を締結した時点、すなわち任意後見契約公正証書が作成された時点で、公証人が東京法務局後見登録課に任意後見契約の登記を嘱託し、それにより任意後見契約の内容が登記されます。そして、任意後見監督人の選任の審判が確定すると、登記内容に任意後見監督人の氏名、住所及び選任の審判の確定年月日等が任意後見契約の登記内容に付け加えられます。なお、本人のプライバシー保護の観点から、法定後見制度同様、任意後見契約に関する登記事項証明書の交付申請者は、本人・本人の配偶者・4親等内の親族、任意後見受任者、任意後見人、任意後見監督人等に限られておりますので、誰でも任意後見契約に関する登記事項証明書の交付を請求できるわけではありません。
任意後見契約の登記事項証明書の交付請求先や登記に関する業務の取扱い先については第2の2(1)(ハ)(e)申立先、費用、登記制度をご参照ください。
(ニ)
鑑定、鑑定費用
任意後見監督人選任の申立ての場合には、補助の場合と同様、医師の診断書があれば足り、原則として鑑定は不要とされていますが、判断能力の判定が困難な場合には、鑑定が行われます。
鑑定費用につきましては、第2の2(1)(ハ)(f)鑑定、鑑定費用をご参照ください。

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