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事例5 株主(元役員)が、会社に対し、第三者への株式譲渡承認請求をしたところ、株主であることを否定されたため、会社に対し、株主権確認訴訟を提起した事案

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相談内容

株主Xは、A社の元取締役であった者であるが、A社の株式を従業員持株会名義と個人名義で所有していた。従業員持株会分については、退職時に会社に売り渡したが、個人所有分については、退職後第三者に譲渡するべく、A社に対し譲渡承認請求をしたところ、A社は、従業員持株会分と同様に、個人所有分についても退職時に額面額で買い取ったため、株主Xは既に株主たる地位を失っていると主張した。

A社側の主張の根拠は、個人所有分についても、株主Xが退職した際に売渡価格と同額でA社が買い取る旨の売買の一方の予約又は第三者のためにする契約を締結していたという点にあった。

株主Xは、上記A社の主張には納得できなかったため、A社を相手取り株主権確認訴訟を提起した。

問題の所在

株主の地位を有する社員の退職時に、A社が同株主から一方的に、額面額で株式を買い取る旨の合意(本件売渡約束)の有無及びその有効性。p>

結果

(1)A社は、株主権確認訴訟の中で本件売渡約束の存在を主張していたが、これを証明する客観的な証拠はなかった。そのため、A社は、株主Xと同種の地位にあった者との同様の合意の存在や株主Aが本件売渡約束の存在を前提とした行動を取っていたこと等を複数人の会社関係者(A社側の協力者)の証言で証明するという手段に出た。

株主X及び複数人のA社関係者の証人尋問の結果、数の力もあり裁判官の心証はA社側に若干傾いていた。

(2)判決をもらった上で高等裁判所まで争うという方法もあったが、証人尋問後の当方の印象としても、高等裁判所で形勢逆転をすることは困難であること、和解をするのであれば、A社側の決裁権限者が裁判所に来ているこの場を逃すべきではないこと、A社側に早期解決を持ちかけるベストなタイミングであること等を考慮し、A社から株主Xに対し一定の解決金(当方が一定の譲歩をした金額)を支払う形での和解を提案した。

A社側は、最初は当方からの提案を拒んでいたが、裁判官からの和解勧告も利用しつつ、最終的には証人尋問当日に、株主Xが株主たる地位を失ったことを認めるのと引き換えに一定の解決金をA社から受け取る形での和解を成立させることができた。

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