血液そのものは製造物には該当しませんが、血液製剤は血液に加工を加えた製品ですから、「製造物」に含まれ、製造物責任法の対象となります。
血液製剤は、全血製剤、血液成分製剤、血漿分画製剤の3種類に分けられます。
このうち、全血製剤と血液成分製剤が、輸血用血液製剤ですが、いずれも血液に保存液や抗凝固剤が加えられて処理されているため、加工された動産、すなわち「製造物」と解されます。また、血液中の有効成分を抽出加工して治療に用いられる血奬分画製剤は、高度な加工処理が加えられた製品と見ることができますから、「製造物」に該当することは異論のないところです。
ただし、製造物責任法案の審議過程において、以下のとおりの政府見解が表明されています。
「輸血用血液製剤(全血製剤及び血液成分製剤をいう。)の欠陥については、次の(a)ないし(c)のような製品の特性等の事情を総合的に考慮し、判断する必要がある。
したがって、現在の科学技術の水準の下で技術的に排除できないウイルス等の混入や免疫反応等による副作用は、欠陥に該当しないものと考えている。」
さらに、製造物責任法案に対する衆議院商工委員会の附帯決議でも「特に輸血用血液製剤については、その特殊性に鑑み、審議における政府見解の周知徹底を図ること」とされ、参議院商工委員会でも、同旨の附帯決議がなされています。