アメリカでは各州によって扱いが異なりますが、以下に説明します何らかの概念(理論)を採用することで、製造業者等と損害の発生に寄与した被害者との間における損害の公平な分担を図っています。
寄与過失とは、被害者側に損害に寄与する過失が存在する場合、その被害者は加害者に対し、一切の損害賠償請求を許されないとする理論です。
この理論によると、被害者側にわずかでも寄与過失があると認定されれば、一切の損害賠償請求が否定されますので、被害者に酷な結果となります。
比較過失とは、寄与過失の理論の不合理な結果を回避すべく考えられた理論で、被害者側に損害に寄与する過失が存在する場合、その過失の程度に応じて損害賠償額を減額するという理論です。
この理論は、さらに細分化されており、過失割合に応じて損害額を減額するというもの(純比較過失方式)や、被害者側の過失が製造業者等の過失を上回れば、一切の損害賠償請求はできない(同等ないし下回る場合は、純比較過失方式と同じ)とするものや、被害者側の過失が製造業者等の過失と同等ないし上回れば、一切の損害賠償請求はできない(下回る場合は純比較過失方式と同じ)とするものなどがあります。
危険引受という理論は、被害者側の過失によってではなく、被害者側が自己の行為に伴う危険を認識したうえで、自らの意思でその危険を引き受けた結果、発生した損害について、その程度いかんを問わず、一切の賠償請求ができないとする理論です(もっともカリフォルニア州やワシントン州のように、寄与度に応じて賠償額を減額しようという立場の州もあります)。
誤用とは、製造業者等の意図ないし予期しない方法の使用によって、損害が発生した場合、製造業者等は賠償責任を免れるという理論です。
この理論は、当該製造物の使用者以外の第三者が損害を受けたときに製造業者等にとって有用な理論です。
寄与過失や危険引受けの理論では、製造業者等は損害を被った無過失の第三者に対抗できませんが、この理論は、当該製造物の当該使用について予見可能性を製造業者等が有していたか否かだけによって、責任の有無が決せられます。
改造とは、製造物が製造業者等の手を離れた後に、当該製造物に改造が加えられた場合に、製造業者等が製造物責任を免れるという理論です。