米国においては、複数の製造物責任主体の対外的責任については、我が国の民法719条とほぼ同内容の判例法が形成されてきました。すなわち、複数の製造物責任者がいる場合、各製造物責任者は被害者に対し、全損害について賠償責任を負うという法理が判例上形成されてきたわけです。
しかし、最近は多くの州においてこの判例法が修正されてきています。すなわち、州法により、連帯責任となる場合を一定の場合に限定した例があります。例えば ㋑ある被告の損害の発生に対する寄与度が一定の割合以下である場合には、その被告は連帯責任を負わないとか、㋺精神的損害については、連帯責任の原則を取らない等です。また、複数の製造物責任者間の求償を認めていない州で、連帯責任の原則を廃止した例もあります。
EC指令5条は、「数人の者が同一の損害について責任を有する場合、それらの者は連帯して責任を負う。」旨を定めました。
これを受けたEC諸国の国内製造物責任法は、これと同趣旨の規定を設けています。例えば、イギリス消費者保護法は、「同一の損害について二人以上の者が本章による責任を有する場合において、それらの者の責任は、連帯責任とする。」旨規定しています(イギリス消費者保護法2条5 )。
また、ドイツ製造物責任法も、「同一損害について複数の製造者が共同して損害賠償責任を負う場合において、それらの者は、連帯債務者としての責任を負う。」旨規定しています(ドイツ製造物責任法5条第1文)。