製造物責任法4条は、「当該製造物が他の製造物の部品又は原材料として使用された場合において、その欠陥が専ら当該他の製造物の製造業者が行った設計に関する指示に従ったことにより生じ、かつ、その欠陥が生じたことにつき過失がない」場合は、当該部品ないし原材料の製造者は、このことを証明したときに限って免責されると規定しました(4条2号)。
この規定は、EC指令7条(f)とほぼ同趣旨のものであり、イギリスの消費者保護法(4条(1)(f))及びドイツの製造物責任法(1条(4))にも同様の規定があります。
ところで、実際上、「設計に関する指示」には、
等、さまざまな形態があります。したがって、部品や原材料の欠陥に基づく事故が生じた場合に、この規定の適用の可否が争われる局面においては、製造物責任法4条2号の「設計に関する指示」があったといえるか否かが争点となります(自衛隊のヘリコプター墜落事故が発生し、その製造物責任が問題となったが、免責が認められなかった事例として、東京地判平24.1.30)。
この場合、部品や原材料の製造業者が免責されるためには、「設計に関する指示」があったことを自力で証明しなければなりません(製造物責任法4条)。
したがって、部品または原材料の製造業者としては、納入先から設計に関する指示や依頼を受けている場合は、普段からできる限りこれを書面化してもらったり、部品や原材料の納入時に検査を受け、その経過を記録に残しておく等の対策を打っておくことが極めて有用であるといえます。
なお、国会は中小企業たる製造業者も製造物責任法4条2号の部品製造業者の免責事由を自ら立証しない限り製造物責任を負うことにかんがみ、その負担の軽減を図る趣旨で、次のような付帯決議を行っています。
中小企業の負担軽減のため、製品安全対策、クレーム処理等についての相談、指導体制の充実を図るとともに、安全な製品を供給するための各種の活動につき積極的支援を図ること。
また、下請事業者に不当な負担を及ぼすこととならないよう十分な配慮を払うこと。
中小企業者の負担を軽減するため、製品安全対策、クレーム処理等について相談・指導体制の充実を図るとともに、製品安全対策の推進のための積極的な支援を行うこと。
また、下請事業者に不当な負担を及ぼすこととならないよう十分配慮すること。