責任防御対策(PLD)-保証書

製造物責任マニュアル

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責任防御対策(PLD)-保証書

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保証書は、製造物責任防御対策(PLD)においてどのように位置づけられるか。

昭和53年9月30日付 通産省産業政策局長通達

耐久消費材の保証書については、従前から、その性格が曖昧であり、販売店、メーカーと消費者の間でトラブルが発生することも少なくありませんでした。
そこで、昭和40年ころから、産業構造審議会で、保証書に関する問題が調査、検討されてきました。
そして、昭和53年9月8日の産業構造審議会消費経済部会の「耐久消費材の品質保証のあり方についての中間報告」の答申を受けて、通産省は、昭和53年9月30日、産業政策局長名で以下の通達を発して、保証書に関するガイドラインが示されました。
53産局第 671号
昭和53年 9月30日
業界団体あて
通商産業省産業政策局長
保証書制度に係る実務の改善等について

耐久消費材のアフターサービスの適正化については、産業構造審議会の答申(昭和40年12月18日)に基づき、従来から、補修用性能部品の最低有効期間を設定し、関係業界に遵守方を要請してきたところですが、昭和53年9月8日、産業構造審議会から別添のとおり、保証書制度に係る実務の改善等を内容とする「耐久消費材の品質保証のあり方についての中間答申」が出されました。通商産業省としては、保証書制度に係る実務の改善等が、速やかに実施される必要があると考えますので、下記のとおり実施されるよう、要請します。
保証書制度に係る実務の改善
(イ)
保証書の事前開示の徹底
販売店が商品を販売する際に、消費者に保証内容を説明するように徹底するとともに、保証書を容易に取り出せるよう梱包等に工夫すること。
(ロ)
保証内容の明確化
保証書には、次の点について明確に記載すること。
(a)
保証書である旨
(b)
品名及び形名
(c)
保証者の氏名または名称、住所および電話番号
(d)
無料修理等の実施者の氏名または名称、住所および電話番号
(e)
保証期間
保証の態様
無料修理、取り替え等措置の区別を明らかにすること。
保証対象外の部分がある場合はその部分
保証の適用除外に関する事項
保証期間内であっても保証書に基づく無料修理等が行われない場合には、それを具体的に明示すること。
名称のいかんを問わず消費者に費用の一部を負担させる場合または保証額に上限がある場合はその内容。
保証を受けるための条件または手続
保証書の提示、定期点検の履行等保証を受けるための条件や手続を定めている場合には、その内容を明らかにすること。
法的責任
保証書が発行されることにより販売業者の民法または、商法上の責任が保証書の範囲に制限されると消費者が誤認することを避けるための注意をを行うこと。
(ハ)
保証書記載の徹底
販売店が保証書を交付する際に販売店名や販売年月日の記載を徹底すること。
保証書制度によらない場合のアフターサービスの拡充
保証書制度によらない場合(保証期間経過後の場合または保証書が添付されていない場合)についても、使用損耗、経年損耗による故障ではなく設計、製造上等の瑕疵がある場合には一般的に消費者は、民法または商法に基づき無料修理等の請求を行いうる。このような場合に対処するため、製造業者、販売店等の間でいかなる処理手続、費用負担関係等を通じ、これに対応していくべきかについて、処理システムを確立し、これを契約、マニュアル等により明確にし、容易に、かつ適正な費用負担によりアフターサービスが提供されるような体制を確立すること。

保証書の法的性格

(イ)
保証書に基づく法的責任
保証書による保証内容については、保証対象と保証期間を限定したうえでの「無料修理」であるのが通常です。こうした内容をもつ保証書の法的性格は、法的義務を伴わない単なる約束であるとする考え方が有力です。
(ロ)
製造物責任その他の法的責任との関係
保証書が発行されている場合の保証書に基づく責任と製造物責任その他の法的責任は、まったく別個のものです。したがって、消費者は製品の欠陥による被害については、保証書による責任追求の他に、別途製造物責任及び民法、会社法その他の法的責任を追求することが可能です。換言すれば、保証書は、製造業者等に、製造物責任その他の法的責任を免除するものではありません。
例えば、保証書で保証対象外とした部品に欠陥があった場合、製造業者等は、保証書で保証対象外としたということだけでは、製造物責任を免れることはできません。これとは逆に、保証書で保証した期間内に保証対象とした部品に瑕疵があり、右瑕疵が原因となって消費者に被害が発生した場合には、当該製造物の欠陥の認定に当たり、製造業者等が欠陥がないと主張することは、極めて困難になるといえます。

米国における保証書に関する法制度

(イ)
統一商法典
保証とは、売買の対象たる商品の一定の品質、性状に対する売主の買主に対する約束をいうとされています。保証には明示の保証と黙示の保証があります。
この黙示の保証については、売主が特約によって制限排除することが認められています。
この法律の適用を受ける場合には、以下の13項目を簡易かつ容易に理解できる言葉で、しかも完全かつ明瞭に記載する必要があります。
(a)
保証者の名前・住所
(b)
保証対象者
(c)
保証対象品目
(d)
欠陥や保証義務違反に対する保証者の措置および保証期間
(e)
消費者の義務およびその負担費用
(f)
保証適用除外項目
(g)
保証修理を受けるために消費者の採るべき諸手続
(h)
非公式な紛争解決手続(informal dispute resolution procedure)を定めている場合は、それに関する情報
さらに、購入者が裁判所の法的手続に訴える前に、上記手続に拠らねばならない場合には、その旨の記述
(i)
消費者に与えられる法的救済の概略
(j)
保証者が保証修理を行う時間帯
(k)
保証者が欠陥や保証義務違反の通知を受けたのち、保証修理に応ずるまでの所要時間
(l)
保証非適用部品
(m)
保証の内容・範囲につき、常識的かつ平均的な消費者に誤解を与えないような保証の語句
(ロ)
マグヌソン・モス保護法
この法律は、消費者製品について保証条件の最低限度の基準を定め、消費者に公平な製品保証を与えることを目的とした法律です。
この法律が適用されるのは、1975年7月4日以降に製造された消費者製品で、かつ保証書が発行された場合です。保証書の発行自体を義務づけるものではありません。
さらに、メーカー、販売業者が保証書を発行する場合には、黙示の保証責任を排除したり、修正することは許されません。

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