相続時精算課税制度を活用する承継

事業承継マニュアル

第4章

事業財産の承継と税

集合写真
第1

事業財産の承継にかかる課税のしくみ

4

相続時精算課税制度を活用する承継

(1)
制度のしくみと課税方法
相続時精算課税制度は平成 15 年度の税制改正で新に創設された制度です。
親から子へ早期の財産移転を促すために、贈与税と相続税を一体として捉え、生前贈与時の贈与税負担が軽減されることが特徴となっています。
この制度による贈与の基礎控除額は 2,500 万円(控除額に達するまで複数年に渡り使用可能)で、基礎控除額を超えた場合に適用される贈与税率は一律 20%となっており、通常の贈与税よりも優遇されています。その後、相続が発生した時に、その生前贈与財産とを合計した価額を基に計算した相続税額から、既に支払ったこの制度による贈与税額を控除して相続税を計算することにより、贈与税と相続税とを一体化して納税することを可能にした制度です。
(2)
相続時精算課税制度によるメリット・デメリット
(イ)
相続時精算課税制度によるメリット
(a)
基礎控除額が 2,500 万円と、通常の贈与と比べて大きいため、贈与税の負担なしで、一度に多額の贈与を行うことも可能です。
(b)
贈与税率が一律 20%と低く抑えられているため、基礎控除額を超える贈与であっても、贈与税の負担が軽減されています。
(ロ)
相続時精算制度によるデメリット
(a)
生前に贈与した財産も、相続発生時に持ち戻しをすることにより相続税の課税対象になります。したがって、将来の相続税に対する節税効果はないと考えられます。
(b)
適用対象者が以下の者に限られています。
贈与者:60 歳以上の父・母
受贈者:20 歳以上の贈与者の推定相続人及び孫

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