物的損害の範囲2

交通事故損害賠償請求ガイド

交通事故が発生したときの措置、損害賠償責任、損害賠償の範囲、遅延損害金と時効、自動車保険、紛争の解決方法、刑事責任という7つの主題について、交通事故損害賠償請求のQ&Aをご紹介します。

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損害賠償の範囲のQ&A

(5)

物的損害

(ハ)

自動車の評価損

Q:
追突されて自動車に事故歴がついてしまったことによる自動車の評価損(格落ち損)の賠償を加害者に求めることはできますか?
A:
1.
事故歴がある場合、一般に、自動車の評価は下落するため、その評価下落分(評価損・格落ち損)の賠償は認められる場合が多いようです。
2.
しかし、修理の部分や程度によって評価損の賠償を否定した裁判例(修理部分は左側ドアミラー下部のみ)や、評価損の賠償を認めることは、通常は認められない車両の買替えを認めるに等しいとして、評価損の賠償を否定した裁判例もあり、必ずしも、実務の立場は統一されていません。
3.
また、評価損の賠償額の算定方法も一定しておらず、修理費の一定割合を基準とするものが多いようですが、修理費の10%から100%まで様々です。修理の内容や修理額にもよりますが、修理費の30%程度とするものが多いようです。
(ニ)

代車費用

Q:
追突されて自動車を修理に出すことになりましたが、修理期間中の代車費用の賠償も加害者に請求することはできますか?
A:
1.
代車費用の賠償が認められる場合
営業や通勤、通学等のために日常的に自動車を使用していた場合であって、公共交通機関で代替することが困難な場合には、レンタカー等の代車費用の賠償が認められます。他方、被害車両を休日に使用していた程度であったような場合には、代車費用の賠償は認められません。
2.
代車費用の賠償額
(1)
代車費用の賠償が認められる場合、原則として、被害車両と同一の車種・年式・同程度の使用状態・走行距離の車両の使用料が基準となります。ただし、被害車両が高級外車の場合は、特別な事情がない限り、国産の高級車の限度で賠償が認められるにすぎません。
(2)
賠償が認められる代車の使用期間は、客観的に修理に必要な期間とされます。破損の程度によりますが、1週間から2週間程度が通常です。しかし、必要な部品の取寄せのために修理期間が延びた場合には、この期間中の代車費用の賠償も認められます(ロールスロイスにつき80日間の代車使用が認められた例)。
買替費用の賠償が認められる場合には、通常車両を取得するのに必要な期間(1か月程度)の代車費用の賠償が認められます。
(ホ)

休車損

Q:
営業用トラックに追突されたために、その修理期間中、営業ができなかった場合、その期間中の損害(休車損)の賠償を加害者に請求することはできますか?
A:
1.
休車損の賠償が認められる場合
タクシーや営業用トラック等の営業用車両が、事故により修理または買替えが必要になった場合、修理または買替えに通常必要な期間中に、その車両を運行して営業をしていれば得られたであろう営業利益(休車損)の賠償を求めることができます。
2.
休車損の算定方法
事故前数か月ないし1年程度の収入ないし売上の平均から、同じ期間のガソリン代等諸経費・支出を除いた1日当たりの利益に、修理または買替えに通常必要な期間を乗じて算出します。

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