会社支配の意義

企業買収と企業防衛マニュアル

第1章

企業買収と企業防衛序論

集合写真
第4

会社の支配

会社支配の意義

企業の買収と防衛に関して議論する前に踏まえておかなければならないことは、会社の支配の問題です。買収問題に関しては、他社の支配権を獲得するとか、会社の支配権を守るとかが論じられますが、「会社を支配する」とは、どういうことでしょうか。以下では株式会社を前提としてこの問題を考えてみます。
「支配する」ということは「意のままに動かせる」ということと理解されます。では、会社を支配しているのは誰でしょうか。社長とか最高経営責任者(CEO)は、会社を支配しているのでしょうか。
これらの地位にある者が強大なパワーを有していることは間違いありません。しかし、会社法は誰に対しても専制君主のような絶対的な権限を与えてはいません。総理大臣といえども国会の意思を無視してはできないことがたくさんあるのと似ています。代表取締役であっても、ある行為については株主総会の了承をとりなさいとか、監査役の意見に従いなさいとか、株主から訴えられるぞというような規定がありますし、その他にも法律が経営者の勝手を許さないと規定している例は多々あります。
会社法において、会社を支配することは、支配者が何でも自分で決められるということではありません。

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