多数決による支配

企業買収と企業防衛マニュアル

第1章

企業買収と企業防衛序論

集合写真
第4

会社の支配

多数決による支配

多数の株式を保有する株主は、株主総会での議決権を通じて、事実上経営の決定権を有することになります。一人の株主ではなく、複数の株主が連合して多数派を形成した場合も同じです。株を買い集めるということは、会社における発言権を買い集めるということでもあります。会社の意思は単一でなければなりませんが、それを株主の多数決で決めるときに、株主の有する株式に付着している議決権の多寡で決めることを原則としているのです。
ただし、このような多数決によって取得した経営者(支配者)の地位は、自らが多数の株式を保有していること、または、多数の株式を有する他の株主が味方してくれることの裏付けの上に立脚しているものでしかありません。したがって、自らが保有していた株式を失ったり、味方をしていてくれた株主に造反されたりしたら、経営者はその地位を奪われるという制約が存在するのです。
会社の支配は、株式保有において他の株主よりも多数の株式を牛耳って、他の株主よりも相対的な優位に立つことによって実現されます。逆に、株式を買収されて多数派から転落すれば、会社の支配権を失うという結果になります。そういうことが日常的に起こるわけではありませんが、これが割り切った株式の論理、株式会社の論理です。

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